• テキストサイズ

With me

第63章 幸せをありがとう




「紫苑……」

「生きててくれて…ありがとう…」


そしたら喜助さんは返事をする代わりに、にっこり笑ってくれた




…─



「そうだ、性別わかったんだ!」

「え!どっちどっち?」

「女の子!」

「ほんと?ー緒だね!」


私は一人目で男の子の空を出産して、今は二人目の子供がお腹にいる

そして琴乃のお腹には今、一人目の平子隊長との子供がいる

妊娠してすぐ平子隊長に休隊させられた琴乃は、暇と呟いては商店に入り浸っている


「女の子だったら浦原さんメロメロになっちゃうんじゃない?」


得意のニヤリ顔で、紫苑と喜助を交互に見る


「ひ、平子隊長だってメロメロになっちゃうんじゃないの!」

「何言ってるんスか!?紫苑より好きな女の子なんてできるわけないじゃないスか」

「あはは、ごめんごめん」


必死に否定する2人がちょっと面白くて笑ってしまった


「琴乃ー迎えに来たでー…おっと」


開口一番、空が平子にタックルを決めた

まだまだ弱い力に平子は余裕で受け止める


「空ー、良ェ子にしとったかァ?」

「真子、お疲れさま!」

「あしょぼー」


空に手を引かれるままに付き合う平子

相手をしながら時々こちらを振り返る


「琴乃ー、お前仕事終わる頃には、家に居ろ言うてるやんけ」

「だって家に居ても暇だし寂しいんだもん」

「そ、それは…そうやなァ…」


確かに…妊娠中の琴乃を家に1人で居させるよりも、商店に居ってくれたほうが安心か…

でもなァ…地獄蝶連れてるとはいえ、断界行ったり来たりすんのも身体に負担かかるんちゃうか…


「分かったよー、これからは家で待ってるね」


いや、それでも1人で居させるよりは…

喜助に相談してみるか


「いや、やっぱエェわ。此処に居り」

「え?なんで?」

「琴乃のことが心配なんだよ、平子隊長は」

「琴乃サン、いくらでも此処に居ていいっスからね」


なんか琴乃の身体に少しでも、負担かからんようにできるもんあらへんかな…


「なんなら空飛ぶ絨毯でもお貸ししますよ?移動も大変でしょう?」

「なにそれー?浦原さんそんなの持ってるの?!」

「話が早いやんけ…」

/ 761ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp