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With me

第62章 新婚の在り方



「紫苑の荷物も持ってきたんで、落ち着いたら帰りますよ」

「浦原さん、紫苑さんちゃんと栄養のあるもの食べるようにしてくださいね。大分片寄ってるみたいなので」

「なんでもお見通しなんだから」

「果物ばっかり食べてるからっスよ」

「果物?」


すると喜助の伝令神機が鳴り出す


「テッサイからっス。ちょっと電話してきますね」


廊下に出る喜助

通話ボタンを押してすぐ、鉄裁さんの"もしもし"という声が、聞こえた気がした


「紫苑さん!紫苑さん、大丈夫ですか?」


紫苑の病室から勇音の声が聞こえる

喜助は鉄裁との電話を放り出し、部屋に駆けた


「紫苑っ!」


そこには背中をさすられて、手洗い場で下を向く紫苑の姿があった


「……っ…」


すぐに紫苑に駆け寄る


「どうしました?」


勇音の代わりに紫苑の背中をさする


「きもちわるい…」

「疲労からっスかね?…落ち着いた?」


傍で考え込む勇音

紫苑をベッドに座らせると、勇音が声をかけてきた


「すみません、浦原さん。ちょっと紫苑さん検査してみますので、出てもらえますか?」

「え、あ…ハイ」


何か心当たりでもあるのだろうか

ここは医療従事者の虎徹サンに任せよう


「廊下で待ってます」


紫苑の心細そうな顔が胸に残る

悪い病気じゃないといいんスけど…


それから少しして、虎徹サンに指示されたのだろうか

若い隊員が大きな器具を持って紫苑の病室に入っていった

中の様子は見えなかった…

まさか本当に病気じゃないっスよね…


喜助は汗ばむ手を握りしめた




…─



「紫苑さん、最近ちゃんときてます?」

「…何が?」

「生理ですよ、生理」

「生理?…きてないよ。疲れて不順なだけじゃない?前もそんな感じだったし」


紫苑は勇音の質問、身体の不調からあることに思いついた


「え、まさか…」

「とりあえず調べてみましょう。今、機械持ってきてもらってますから」


症状はほとんど当てはまる

心当たりも…ある


もしかしたら、本当に…



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