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With me

第60章 アナタが笑顔なら 前編



きっとなにか、弱点があるはず…

苦手なものが…

たくさんの鬼道を練り合わせて攻撃する


「くっ…やめろぉ!」

「効いた!」


目を抑えて苦しみ出した遥

何が効いたか分からないけど…


「ごめん…遥」


私は、ひるんだ遥の体に…白雷を打ち込んだ


「ぐあぁぁあっ…!!」


遥の体から虚の実体が姿を現した


「く、苦しい苦しいクルシイッッッ!!逃げろ逃げろニゲロッッ」

「待てっ…!」

「遥…?」


遥の体から抜け出ようとした虚を、遥は繋ぎ止めていた


「逃がすか…よ!人の身体で好き勝手しやがって!……菫!!」


嫌な、予感がした


「ここで逃がしたら、また犠牲者が増えるだけだ!」


逃げ足が早いのは知っていた

正直、私にこの虚を逃がさず捕らえられるかなんて、自信がなかった


「菫、頼む!俺はコイツに霊力をほとんど吸われた…今は、コイツを繋ぎ止めることしかできない…」


背中を負傷している私が、虚を捕らえられないだろうことも、遥は考えていたんだろう…


「俺と一緒に斬るんだ!」

「で、できないよ!そんなこと!」

「もうお前しかいないんだ!」


遥の力ももうそろそろ限界だろう

徐々に虚と遥の距離が離れていく

斬魄刀を握りしめる、汗が止まらない


どうすれば…

その時、頭に声が響いた


『菫様…』

「雪姫…?」

『あれを、使いましょう』

「でも…雪姫、貴女への負担が大きい…」

『私は大丈夫ですわ』


優しい笑顔が見えた気がした


「菫!急げ!!」


私は斬魄刀を構えなおした


そして、虚に斬りかかった


「卍解 霖雨蒼生」

「やめろやめろヤメロォォ!」


虚に触れたところから、斬魄刀が虚を吸収し始めた

吸い込まれるように、徐々にその姿を減らしていく


「やめ…ロ…」


虚を全て吸い込んだ雪姫は、解放前の状態に戻った


「はぁ…はぁ…」

「遥…!大丈夫?」


その場に倒れた遥は安堵の表情を見せ、菫の手を握った


「ありがとう…悪かった、卍解を使わせてしまって。それから…背中の…」

「ううん。無事で、良かった…」


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