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With me

第59章 Swear eternity



「外、寒そうだね」

「大丈夫っスよ」

え?なんで?


と問いかけた時、降機の順番が回ってきて聞きそびれた


「足下気をつけて」

「ありがとう」


なんだか今日はいつになく優しい

いや、いつももの凄く優しいんだけどさ


「とりあえずレンタカー探しましょうか」


予定では既に空港前で待機しているはず


「広いね空港」

「一応場所とか確認してきたんスよ」


だから安心して

といった顔が優しくて、柔らかくてなんかもう既に胸がいっぱいだよ?


「出口は向こうっスね」


荷物を右手にさっとまとめて、極自然に左手を差し出される

私も荷物を左手にまとめて、差し出された左手を右手で掴んだ


「喜助さん手暖かい…」

「そっスか?」

「もしかして喜助さんも寝てた?」

「ありゃ、バレちゃいましたね」


喜助さんも寝ちゃってたっていうのが、なんだかちょっと、一緒で嬉しかった


「寒っ」

「あ、そうそう」


喜助さんは鞄から何やらゴソゴソと取り出した

ただのスプレーのように見える


「なにそれ?」

「フフフ」


喜助さんの怪しい微笑み

すると体にスプレーを吹き掛けられた


「わっ!」

「どうっスか?」

「どうって…あれ、あったかい」


喜助も自分に同じようにスプレーを吹き掛ける


「この日のために開発した、アッタカクナールっス!」


自信満々に言う喜助さんがかわいくて思わず笑みがこぼれた


「いつのまに、そんなの作ってたんだ」

「寒いの辛いと思って」

「ありがとう」


ポカポカ、まではもちろんいかないけど寒さが気にならないくらいにあったかい


「あ、あの車っスね」


まぁネーミングセンスはちょっと、アレだけど


「紫苑、悪いけど荷物入れといてくれる?軽いのだけでいいから」


手続きをスマートに終える喜助さんに見惚れた

ほんと、格好いい…


「さ、行きましょ」


助手席に乗り込み、シートベルトを締める


「最初はどこに行くの?」

「雪といえば」

「あ、もしかして」

「スノーボード」


最初についたのは、スキー場だった

白い雪が綺麗に圧雪されている

まだまだシーズンということもあって、それなりの人数

…あんな高いところから滑れるんだろうか


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