第59章 Swear eternity
第59章 Swear eternity
まだ朝日が昇る前
布団の中
眠りが浅くて目を開けると、隣の紫苑も目を開けていた
紫苑はボクに気づかずに天井をぼーっと見つめている
「紫苑、お誕生日おめでとう」
びっくりした紫苑は大きな目でこっちを見た
一番先に言いたかった
「ありがとっ」
嬉しそうな笑顔にボクは強く紫苑を抱き締めて、もう一度2人で眠りに落ちた
…─
「それじゃあ行ってきます」
「お気をつけて」
「お土産買ってこいよなー」
「#NAME1さん、写真いっぱい撮ってきてくださいね」
「うん!行ってきます」
「紫苑!」
ずっと黙っていた琴乃が駆け寄ってきた
何か言いたそうな顔を必死に隠して
「楽しい旅行になるといいね!」
「ありがとう!」
そして、商店を出た
大きな荷物は既に、ホテルに送ってある
空港に向かい、飛行機に乗り込む
離陸後、安定した軌道に乗った飛行機は雲の上にでた
「紫苑…眠いの?」
時々瞼が下がる紫苑の目が、眠気を物語っている
そういえば朝方も起きて、天井を見上げていたっけ
「眠く…ない」
どうしよう、眠い
旅行が楽しみでほとんど眠れなかった…なんて言ったら子供だと思われてしまう
「着いたら起こしてあげるから」
「眠くない…もん」
そんなこと言ってる紫苑は、数秒後夢の世界へ旅立った
「強がりなんスから」
そんなこと言うボクも昨日は緊張で眠れなくて、何度も目が覚めた
今更に眠気が襲ってきた
緊張して眠れなかった…なんて言ったら笑われちゃいますかね
数分後、喜助の肩には紫苑が
紫苑の頭には喜助が寄りかかって眠っていた
しっかりと手を繋いで
「紫苑、そろそろ着きますよ」
着陸の案内で目を覚ましたボクは、繋がれたままの手に安心して、紫苑に声をかけた
「ん…着いた?」
着陸の振動で完全に目を覚ました紫苑
窓の外は雪が降っていた