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With me

第9章 私に、だけ…?



五番隊に書類を届けた後、隊舎に帰る前に私は今日も一粒お菓子を食べた

甘くて口の中に溶けて幸せな気分になる


「あーなんか腹減ったなァ」

「あ、平子隊長!」


書類を届けた時には居なかったが、戻ってきたのだろう


「おー紫苑、お疲れさん。ええモン持っとるやん」

「あっ!それは」


紫苑から金平糖の入った包みをヒョイと取り上げるとそれを逆さまにしてガーっと口の中に流し込んだ


「ちょっと甘いなァ、ごっそさん」


紫苑の顔を見ると、目を見開いて固まっている


「…もしかしてアカンやつやった?」


次の瞬間平子はギョッとした

紫苑の目から一筋の涙が流れたからだ


「ど、どないしたん…そんなに嫌やったんか…あぁ泣かんといてや…ごめんなァ…」


紫苑の頭を何度も撫でながら謝る


「なんか別のええモンあげるから、機嫌治してくれへんか?」


紫苑は首を横にフルフルとふる

その時平子は背中にゾッと寒気を感じた


「ウチの紫苑サン泣かすなんて、いい度胸してるっスねぇ…」

「き、喜助…」


その間にも喜助はガンガン霊圧をあげていく


「ちょオ待てや!」


その時喜助の霊圧で少し辛そうにしている紫苑が目に入り喜助は霊圧を戻した


「ごめんね紫苑サン、戻りましょ」


喜助は紫苑を引き起こすと隊の方向へ足を進めた


「二回目はないっスよ…平子サン」

「悪かったって…おー怖っ」


そこに藍染がここにいたんですか、と迎えに来て平子は隊舎内へと連れていかれた

五番隊の隊舎裏まで来たところで喜助は紫苑に向き直った

さすがにもう泣いてはいないらしい


「なんで泣いてたんスか?」

「お菓子…」

「お菓子?」

「平子隊長に全部食べられちゃったんです‥」


お菓子って…もしかして…


「初めて隊長から貰ったものだったのに…」


ズキュンと喜助は胸を打たれた感覚に陥る


なんて…なんて可愛いんスか…!


「平子サンに食べられて泣いちゃったの?」

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