第52章 今、誰の隣に居ますか?
いいっスよね?
同じ部屋で寝ても
だって未来の恋人なんだから
「ありがとうございます。待ってますね」
微笑んではいるけど、心が笑っていないというか、やはり会いたいんだろうな
未来のボクに
それに親友のことも気になるだろうし
…─
「ところでさ、真子なんで髪切っちゃったの?あんなに綺麗だったのに」
100年振りに会った恋人は(まだ恋人と呼んで良いのだろうか)超長い髪だったのが、おかっぱ頭になっている
「あーこっち居ると目立つんや。アレ」
寝転がりながら雑誌を読む真子の姿に、まだまだ慣れない
現世の何もかもが変わっていて、元?恋人も…
っていっても死神は歳とるの遅いから、髪型以外は大して何も変わってないか…
「そーなんだ…」
結構好きだったのに…
ていうか私、此処に居ていいのかな
ていうか、仲良かったみんなが仮面の軍勢?とかになってて、ていうか隊長なんて現世で駄菓子屋やってて…紫苑は100年眠っていたっていうし、なんか色々追い付かないっていうか…
王印事件の後四番隊での治療もすぐに終わって、マユリさんから質問責めにされて、流れで真子にくっついて仮面の軍勢のアジトに来たけど
みんなにはとりあえず歓迎されて(るはず)、真子の部屋に来てるはいいんだけど、女の影とか一通り探してみたんだけど、多分無い
真子って、まだ私のこと好き…な訳ないよね
だって100年も経っているし、現世にはきっと美人で素敵な人がいっぱいいるんだろうし
やっぱり私此処に居ないほうがいいかな
昔の馴染みで世話焼いてくれてるだけかもだし
あーなんかもう、色々キツイ…
「ちょ、お前なんで泣いてんねや?」
泣いてなんか……泣いてるし
「どっか痛むか?」
琴乃はブンブンと頭を横に振った
「なんか、色々ありすぎて…追い付かない」
「そっか…そうやんな」
そう言って真子は頭を撫でてくれた
「全部吐き出してみ?琴乃」
琴乃は一呼吸置いてから話し始めた
「現世が色々変わってたりとか、大好きなみんなが辛い思いしてたこととか、紫苑に会いたい、紫苑が心配だとか」
「うん」