第51章 The DiamondDust Rebellion
100年振りに再会した2人を、今は祝福する余裕が無かった
目を覚ました平子サンが最初に見たのは、涙を流す琴乃サン
100年ずっと忘れられなかった、失ったと思っていた最愛の人…
抱き締めるのは至極当然のことなのに、今は腸が煮えくり返りそうなくらい、憤りを感じる
ボクの最愛の人はどこに行ったんスか?
抱き締めてあげたいのに、どうして居ないんスか?
可能性があるとすれば…
喜助は氷の塔に立つ龍を見上げた
…─
草冠の元へたどり着いた一護は、草冠の攻撃と刀を交える
「紫苑は消えたのか?消したのは…お前なのかっ!?」
草冠の口から放たれる光をジリジリと、刀で受け止める
「そうだ、あの威力は危険だと判断した。だから別の次元におくってやったのだ!」
「別の次元…だと?」
「王印の力を得た俺にとっては、空間時間次元を操ることは造作もない!」
その時、冬獅郎の氷輪丸が草冠に巻き付き、首に噛みついた
「西園寺を元に戻せ!草冠!」
「無理…だっ…何も考えずに別の次元にやった!もやはどこにいるか…この俺にも…分からない!」
途切れ途切れの言葉は、喜助にも聞こえていた
「なん…だと…!」
「冬獅郎!避けろ!」
冬獅郎は一護の声にその場を即座に離れた
一護は草冠の頭に斬月を突き刺し、そのまま月牙天衝を打ち込んだ
草冠の龍が崩れ、闇の霊壁が消えていく
「やったか、一護…」
一護は虚化を解き、冬獅郎は卍解を解いた
氷の龍が居たところには、ボロボロになった草冠が立っていた
「行けよ…冬獅郎」
冬獅郎は数歩、草冠へと歩みを進めた
「日番谷…」
「草冠…」
「西園寺紫苑のことは、すまなかった…」
さっきまでの威勢はどこへいったのか…落ち着きを取り戻した草冠に冬獅郎は驚いた
「俺は…琴乃を守りたかったんだ」
「東雲を…?」
草冠は初めて琴乃と出会った日のことを思い出していた
「琴乃と虚圏で出会った時、俺はすぐに琴乃が王印によって此処に来たとわかった。同じ王印の光を浴びた者同士…通じるものがあったのかもしれない…」