• テキストサイズ

With me

第51章  The DiamondDust Rebellion



草冠の氷輪丸に、冬獅郎も卍解で迎え撃つ


「大紅蓮氷輪丸!」


その時フッと、まるで吸い込まれるかのように、泡が消えるかのように、莫大な霊圧が姿を消した






…─






土煙が晴れたそこには、喜助と、咄嗟に紫苑が放ったであろう二重の結界に守られた琴乃だけが残っていた

まるでそこに何もなかったかのように、跡形もなく、紫苑と紫苑によって生み出されたエネルギーは、消え去っていた


「何が…起きたの?」


琴乃と喜助、平子を守っていた結界はすぐに消え、それは紫苑の力が消えてしまったことを意味していた

喜助は琴乃の元へ急いだ


「琴乃サン…!」

「隊長…?」


どうやら記憶が戻ったようだ…

だけど、目の前で起きたことが処理しきれていないようだ


「…紫苑は?」

「紫苑……」


目の前に居た琴乃サンなら、きっと見ていたはずだ…

琴乃サンは必死に今起きたことを思い出そうとしている


攻撃の直後、目を瞑った私…

近距離なのに痛みが来なくて目を開けたそこには…白い光に呑まれる紫苑の姿が映っていた


「光…?」

「私…も良く分からなくて…っ」


どういうことだ?光に呑まれた?

まさか琴乃サンのように虚圏に…?

紫苑は一体どこに…?


「私…何が何だかっ…!」


琴乃の目は、不安の色で一杯になっていた


「私…っ、紫苑を…っ」


記憶を無くしていた間のことが、嫌でも流れ込んでくる


紫苑に何度も刃を向けたこと

何度も酷いことを言ったこと


記憶が戻ったと同時に、目の前の紫苑が消えた


頭の中がぐるぐるして、目がまわりそうになる


「どうして…紫苑……っ」


やっとまた…会えたのに…っ

琴乃の目から涙がこぼれ落ちる瞬間、琴乃の視界は真っ暗になった


「落ち着きィ、琴乃…」

「………しん…じ?」


震える声、震える瞳…

平子は琴乃を安心させるように、強く抱き締めた


「大丈夫…きっと、大丈夫やから…」

/ 761ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp