第51章 The DiamondDust Rebellion
斬魄刀の先、水晶に渦を巻くように、集まりつつあったエネルギーは、琴乃の奇襲で紫苑がひるみ、エネルギーが飛散し始める
琴乃が紫苑の結界を斬りつけた瞬間、紫苑の喉元を鋭いなにかが通った
パリィィンッッ!!
紫苑のネックレスが割れて、琴乃に飛び散る
「紫苑…?」
琴乃の瞳に光が灯りはじめる
「琴乃…」
思い出したんだね…
その目はさっきまでの虚な目ではなく、澄んだ瞳で真っ直ぐに紫苑を見つめていた
紫苑の喉元を通ったのは草冠が叫んだ時に、四方に飛び散った氷の刃
王印の力のせいだろうか、紫苑の結界を意図も容易く破ったのは
ドクン─ドクン─
全身の血圧が上がる
心臓の鼓動が早くなって、身体の奥底から霊力が溢れてくる
「紫苑!」
まずい…!紫苑の霊力がどんどん上がっていく…
このままじゃ制御しきれない…
紫苑の意に反して斬魄刀の先には、先ほどと比べ物にならない程のエネルギーが集まる
「琴乃っ!離れて!」
制御しきれなくなったエネルギーは爆発するようにその力を放出した
喜助は咄嗟に琴乃に結界を張った
…─
一護、恋次、ルキアはそれぞれ虚を倒していく
「なに?!」
メノスの群れが口を開け、一斉に虚閃を放った
その攻撃から三人を守ったのは、百夜の千本桜だった
「油断するな」
「白夜!」
「外の総隊長たちに負担を強いている。黒崎一護、急げ」
「恋次」
「おう」
「殲景 千本桜景義」
三人を守っていた刀剣が、無数の花びらの刃になり、メノスを襲う
一角、恋次が草冠への道を作る
冬獅郎が卍解状態で草冠を目指し、一護は虚化してその後を追う
「この霊圧…!」
双極の丘で脈打つように沸き上がった霊圧を感じて、一護と冬獅郎はスピードをそのままに視線を双極に向けた
「西園寺…なのか?」
異常な霊圧に自分の目を、感覚を疑う