第51章 The DiamondDust Rebellion
平子はしばらく紫苑を見つめたあと、さてと、と少しだけ歩きだした
「あなたも私を、殺しにきたの…」
「なんやまた俺ンこと、忘れてしもたんか」
「私はあなたなんか知らない」
「安心せェ、殺さんで止める方法なんかいくらでもある」
平子は静かに斬魄刀を抜いた
それに合わせて琴乃も斬魄刀を抜く
「平子隊長!」
「下がっとき、紫苑。今度は、俺の番や…」
身を乗り出した紫苑の肩を、喜助が掴む
「あなたを、排除する!」
琴乃が平子に斬りかかる
「どうして2人が、闘わなくちゃいけないんだろう…」
「紫苑…」
対峙する2人を見る紫苑の目は、悲しみに染まっていた
「本当は愛し合ってるのに…」
「大丈夫…きっと大丈夫っスよ」
…─
冬獅郎は背中で瓦礫を支えている乱菊に気づいた
「松本っ」
「大丈夫です。隊長の背中を守るのは、副隊長の仕事ですから」
少し離れたところで一護とルキアの声がする
「大丈夫か、ルキア」
「大丈夫だ」
「おう冬獅郎、お前たちも無事だったか」
そこへ恋次が駆けてくる
「ルキア!一護!」
「恋次!どうした?」
「どうした?じゃねぇ…周りを良く見てみろよ」
目線の先には更に巨大化した塔が、大きく聳えたっていた
「草冠の城ってところか」
「俺たちはその霊壁の中に閉じ込められてるみてぇだぜ」
「どうすりゃ…」
「俺にわかるかよ」
「一護!」
「夜一さん!」
声のした先には夜一と、先ほどまで紫苑と対峙していた砕蜂がいた
「砕蜂さん!紫苑は…」
砕蜂はバツの悪そうな顔をして、一護から目線をそらした
その様子を見て夜一が小さく息を吐く
「紫苑は無事じゃ。今は平子と喜助がついておる」
「よかった…」
一護同様にルキアも、安堵に肩を落とした
「事態は一刻を争うぞ」
「総隊長がこの空間の膨張を抑え込んでいる。その間に我らで草冠を斬れとの命だ」
「けど、どうやって…」
「脚を伝って登るのじゃ。そして中心の塔を切るしかあるまい」
各々覚悟を決めて、塔を見つめた