第51章 The DiamondDust Rebellion
草冠は琴乃の横から顔を出し、怒りを顕にした
「俺はてめぇの仲間になる気なんか始めからねぇ」
「彼は護廷十三隊を裏切ったのではなかったのかネ?」
「では、どうして我々に刃を向けたのだ」
冬獅郎は答えない
「俺を斬るのか?また俺を殺すというのか!」
"また私を殺すの?"
紫苑の頭に琴乃の言葉がフラッシュバックする
それに気づいた平子が紫苑の肩を支えた
「気ィ強く持ちや…紫苑」
「大丈夫か、紫苑?」
「うん…大丈夫。ありがと…」
心臓の音が早い
息が詰まる
しっかりしなきゃ…っ
「俺は俺の罪を償うだけだ」
罪…私の罪…
琴乃を殺めてしまったこと?
「君の罪とはなんだ?俺を殺すことで償えるのか!」
冬獅郎は再び草冠に斬りかかった
草冠の前に立ち塞がる琴乃を草冠は手で制して、冬獅郎の刃を受け止める
私は一体どうしたら、罪を償えるんだろう…
琴乃はどうしたら、私を許してくれる?
「そうか…草冠は元々、尸魂界に忠誠を誓った男。それが同じ斬魄刀が二振り存在したというだけで、名誉はおろか尸魂界に粛正されることになってしまった…」
「あぁ、あいつは全て自分のせいだと思ってやがる」
「日番谷隊長は草冠をもう一度、護廷十三隊の立場のまま斬ることができなかった…そういうことか」
「だから生き返った草冠に、護廷十三隊の隊長の座を自ら捨てて一人で決着をつけようとしている。例えそれで、今度は自分が処刑されることになっても」
私は、琴乃を……もう一度…
震える手は雪姫をカタカタと揺らした
「君は最初から俺を…!」
「そうだ」
「そうか…俺は君を見誤っていたか」
王印が光を増す
咄嗟に冬獅郎が後方へ飛ぶ
「ならば俺ひとりで、成し遂げる!俺に応えろ!王印!!」
「なにを!」
「卍解の力で王印を解放することはできなかったが…だが今の俺なら…」
草冠は王印を斬魄刀で真っ二つに斬った
霊圧の渦と爆風で圧倒される
「草冠ー!!!」
叫んだ冬獅郎の前には一護が立ち塞がった