第51章 The DiamondDust Rebellion
致命傷をそれ以前の状態に…?
消えかかっていた魂魄は虚圏へ移され再生?
「琴乃は…死んでないのっ?」
紫苑はすがるように草冠に問いかけた
「まぁ、正確にはそうなるな」
「よかった…っ」
紫苑の瞳からは涙がこぼれ落ちた
「紫苑…」
「西園寺…」
どうして…
どうしてこの女は泣いてるの?
思い出せない
この女は私にとって一体…
「王印の力はすぐにわかる。冬獅郎、さぁ行こう」
草冠の持っていた王印が光を放ち、目の前が真っ白になった
「待って!」
眩しい光から反らしていた目を戻すと、そこには紫苑、喜助、平子の三人だけだった
「琴乃は?草冠に、日番谷隊長は…」
「恐らく行き先は尸魂界でしょう」
「なんや置いていかれたんか、俺ら」
「一旦戻って穿界門を開きます」
喜助の言葉を合図に、三人は浦原商店へ向かった
…─
上空でインとヤンと闘う一護は、重苦しい霊圧のようなものを感じた
「ルキア!なんだこれは?」
「分からぬ、だがただの霊圧ではない。なにかもっと純粋で強力な…まさか!」
インとヤンの笑い声が響く
「そのとおり、王印の力さ」
「始まるのだ。草冠様と日番谷冬獅郎による、精霊廷への復讐が」
「何!?精霊廷?」
「貴様は危険だ」
「だからどんなことをしても、ここで死んでもらう」
インとヤンの背後にはおびただしい数の虚が現れていた
「草冠様の計画の邪魔はさせはしない」
「行け虚ども!」
…─
─尸魂界
双極の丘に稲妻と共に複数の霊圧が出現した
乱菊の自室に一人の隊員が報告にきた
「失礼します。双極の丘に王印と思われる霊圧が出現」
乱菊は思わず外に出た
「副隊長」
「ほら!お前たちはでてくるな」
大前田が隊員たちを抑えていると、双極の丘に更に強くなった霊圧を感じた
「なんだありゃあ」
「隊長!」
地獄蝶が舞う
─緊急伝令─
現世および尸魂界の捜索中の全隊士に告ぐ。双極の丘に、日番谷十番隊隊長及び王印強奪者と推測される者達の霊圧を確認。至急帰還し、緊急防衛体制をとれ。