第51章 The DiamondDust Rebellion
「君はよく知っているはずだ。護廷十三隊がどんなところなのか…それでも今まで君が留まった理由はなんだ?」
紫苑はネックレスを外し、平子は琴乃の動きを止めるための鬼道を練っていた
「あの無垢な幼馴染みかい?」
「雛森の話はいい。王印はどこだ?」
平子が琴乃に鬼道を放ち、それが琴乃を封じようとしたとき、バチンっという音と共にそれが弾かれた
「チッ……気づかれてしもた」
すかさず刀を抜き、振りかかってきた琴乃を喜助が受け止める
「止めるんだ琴乃。日番谷との会話を邪魔するな」
「申し訳ありません」
琴乃は刀を納め、3人から離れた
その様子を見て草冠は、再び冬獅郎に目を向けた
「王印は、もちろんここにあるよ」
草冠は王印を取り出した
「これは俺たちの夢のために使うものだからね」
「夢?」
「あぁ」
「王印の力はなんだ?お前はなぜそれを…」
初めて見る王印のその輝きに、そこに居た全員は目を奪われた
「王印は使う者の意思によって空間時間問わず、全ての事象を別の次元に移すことができる」
喜助以外はその言葉がいまいちピンと来なかった
「つまりこの力を使えば、移動はもとより敵の攻撃を別次元に移してしまうこと、更には致命傷をそれ以前の状態にすることも可能だ」
「草冠それじゃお前は…」
「あぁ、消えかかっていた俺の魂魄は、偶然浴びた王印の光によって虚圏へ移され再生された…そして俺はそれ以降、ずっと王印の力を探っていた」
紫苑たちはハッとした
琴乃の体は光に包まれて消えた
その光が、王印のものだとしたら…
「もしかして、琴乃も?」
「あぁそうみたいだな。恐らく俺と琴乃が浴びた王印の光は同じものだ」
「同じ…?」
「王印の力によって、時間軸が一瞬だけ歪んだらしい。そのせいで本来違う時代に魂魄が消えかかった俺たちは、同じ時に、同じ場所…虚圏に移され再生された」
「あの時の卯ノ花さんが見たゆう光は、王印のものやったんか…」