第51章 The DiamondDust Rebellion
─浦原商店
「縛道の五十一 摑趾追雀!」
何回目だろう…
帰ってきてから、紫苑はずっと琴乃サンの霊圧を探っている
額から汗が流れ落ちて、体力と霊力の消耗を物語っている
「紫苑は?」
「夜一サン…ずっとあんな感じっス」
そろそろ止めるべきか、それともやらせてあげるべきか、紫苑のことになると優柔不断になる時が多々ある自分に嫌気がさす
「それよりなんスか、隠密歩法なんて。聞いてないっスよ」
見るからにムスッとした表情で、喜助は夜一に鋭い視線をおくる
「おーそういえば教えたかもしれんの」
そんな視線を気にも止めず呑気な声
「紫苑が隠密機動に入りたいとか言い出したらどうするんスか?!」
「良いではないか。誰にでもできるものではないぞ?鉄裁にも鬼道衆にスカウトされてたしの」
紫苑は確かに才能がある
斬拳走鬼バランスがいいし、なにより鬼道の腕はピカイチだ
霊圧探査は今ひとつだけど、それを補うほど他の能力は優れている
「琴乃……絶対見つけてあげる……」
夜一サンの視線を感じる
紫苑の消耗を感じる
さすがにそろそろ止めなければ…
喜助は立ち上がった
…─
─クロサキ医院
「一護!恋次からだ。護廷隊命がでた!」
押し入れの扉を勢いよく開けたルキアは、伝令神機を片手に一護にせわしく声をかけた
「なんだそれ?」
「日番谷隊長に、実質処刑命令がでたということだ」
処刑という聞きなれない言葉に、一護の心臓が僅かに震える
「処刑命令…!?どういうことだよ」
「もはや一刻の猶予も無く、酌量の余地もないということだ」
通話中だった伝令神機から、恋次の声が聞こえる
「ルキアまだ話がある。草冠がわかったぞ」
ルキアは一護の顔を見た
「あぁ聞こえたぜ」
「草冠宗次郎、日番谷隊長のかつての旧友だ。彼が死んだのは日番谷隊長が、真央霊術院を卒業する直前だ」
その時、一護の部屋の壁が破壊された
煙の中、死神化した一護とルキアは部屋を飛び出した