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With me

第51章  The DiamondDust Rebellion



「紫苑!」


咄嗟に放った喜助の這縄が、紫苑の体を縛り自分のほうへ引き寄せた


「大丈夫っスか、紫苑…」

「うん、ありがと…」


琴乃は刀を構え直し、紫苑をスッと見つめた


「早く殺してしまえ。そいつらは邪魔だ」


途端に聞こえた低い声

今度は紫苑たちにも

見上げれば屋根の上に仮面をつけた男が立っていた


「あなたが草冠っスか?」

「あぁそうだ。西園寺紫苑に浦原喜助だな」


草冠がニヤッと笑った瞬間、琴乃が迫ってくるのを感じた


「草冠様の邪魔をする者は、排除する!」

「どうして琴乃は生き返ったの?あなたが記憶を消したの?」


刀を受け止めながら紫苑は、草冠に向かって話す


「琴乃を返して!」

「紫苑!」


劣勢の紫苑に加勢しようとした喜助に、草冠が襲いかかる


「私が琴乃と出会った時には、もう既に記憶を失っていた」


琴乃の攻撃で紫苑は後方に吹き飛ぶ


「既に、記憶を…?」

「記憶を無くす程の、出来事があったんだろうな…もしかしてその原因はお前か?西園寺紫苑」

「…それはっ」

「まぁいい。今は俺の琴乃だからな!」


草冠は喜助と斬り合いながらも、意識は紫苑に向いている


「あんまり琴乃サンを、侮辱しないでもらえます?」


喜助の目には怒りがこもっていた


「琴乃っ、お願い!思い出して!」

「無駄なことを!」


喜助と対峙していた草冠は、一旦離れた隙に紫苑に縛道をかけた


「縛道の六十一 六仗光牢」

「鏡門!」


それに気づいた喜助が紫苑に鏡門を張り、草冠の縛道を弾いた


六仗光牢と鏡門の発動に、一旦距離を取っていた琴乃に向かって、紫苑は静かに間合いを詰める


ガキィンッ!

刃のこすれる音が響く


「そんなんで私を倒せると思ってるの?」

「くっ……!」


紫苑は刀を右手に持ち、左手で鬼道を練り始めた

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