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With me

第51章  The DiamondDust Rebellion



辺りの氷を見渡しながら、喜助は小さなため息をついた


「そういえば…」


紫苑が思い出したように歩き出す

喜助はそれを目線で追う


「黒崎くんと、ちゃんと話すの初めてだよね」


一護の前まで歩いた紫苑を、喜助は先程よりも警戒を強めた目線で見ていた


「そういや、そうだな…」

「あの時は、ごめんね…」


西園寺との初対面は、最悪だった

東雲ってやつを庇って俺と闘って

次に会った時は、布団で泣いていて…

普段の西園寺の姿を初めて見た俺は、僅かに、本当に僅かに鼓動が早くなってるのに気づいた


「いや、いいよ。なんか複雑な事情があったんだろ…」


あんな過去の話し聞かされたら、どうしてあんなことをしたんだ、なんて責められる訳がないよな…


「優しいんだね、黒崎くんは」


その言葉と共に、紫苑はふわっと笑った

一護は自分の胸がドキッと音をたてるのを感じた


なんだよ、コイツ…

可愛いじゃねーかよ…


「西園寺紫苑です。改めて、よろしくね」

「あぁ、黒崎一護だ。えっと、紫苑でいいか?よろしく」


そう言って差し出された握手のための手を


「ぁ……」


私は握ることができなかった


「いてぇっ!」


紫苑が小さな声を発したと同時に、喜助の仕込み杖が一護の手をゴツンと突いていた


「何すんだよ!浦原さん!」

「アタシの紫苑に気安く触れないでもらえます?」


そう言って紫苑の腕を掴んで、自分の後ろに引き寄せた


「別にいいじゃねぇか、握手くらい」


一護は突かれた手をヒラヒラとさせながら、舌打ちしそうになるのをぐっと抑えた


「そ、それじゃあ私たちそろそろ帰るね!」


織姫は自分の胸のざわめきに気づかないように、言葉を発した


「あぁ、そうだな。行くぞ、一護、石田、茶渡」

「じゃあまたな、紫苑」

「あ、うん。またね」


5人が去ったお堂の前には、紫苑と喜助の二人だけになった

喜助の手は未だに、紫苑の手をしっかりと握っている

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