第51章 The DiamondDust Rebellion
数時間前─
図書館─
「東雲琴乃は確かに、100年前死亡と記されていますね…」
七緒は京楽の話を頼りに、100年前の十二番隊の名簿を調べていた
「…聞いた話なんだけどね、琴乃ちゃんの体は一度四番隊に運ばれたあと、光に包まれて消えたって言うんだよ」
「消えた?」
「まぁでも、その前に卯ノ花隊長が死亡宣告をしたんだけど……草冠のほうはどうだった?」
七緒は別の名簿を手に取り、パラパラとめくる
「最近五十年分の名簿を調べましたが、草冠という名前の隊士はいません」
「だとすると、霊術院のほうは遡ったのかい」
七緒は霊術院の名簿にそっと手を添える
「それらしい名前はありませんでした…ただ、日番谷隊長の卒業した年の名簿に記されている人数と、名前の数が一致しないんです…符号しない生徒は北流魂街出身者です」
「その地区の登録者名簿に、草冠という性は」
「ありました…草冠宗次郎」
「これで草冠ねえ…」
その登録者名簿の草冠のページには、死亡の二文字が書かれていた
「え?こっちも死亡か」
「霊術院名簿にはないのに、単なる書き漏らしでしょうか」
「いやぁそんなことはないんじゃないの?死亡ってんなら特にだよ」
「でもこれで、少なくとも例の襲撃者が草冠宗次郎という線は消えたということですね…あ、でも東雲琴乃と同じように、何らかの方法で生き返った可能性も…」
「霊圧の消滅が確認されない限りは、死亡として記されることはないからね。まぁ、2人とも死んでるんだろうけど」
「…けど、なんです?」
京楽の腑に落ちないような表情に、七緒は疑問を呼び掛けた
「ちょっと歩いてくるわ。七緒ちゃん死亡理由を調べといてよ」
「あ!隊長!」
七緒の呼び止めに応えず、京楽は図書館の外に出た
…─
周囲の空気よりも更に、キンと冷える冷たさが肌を刺す
古いお堂の周りは、氷輪丸の氷で埋め尽くされていた