第51章 The DiamondDust Rebellion
「日番谷隊長はその草冠という男とどんな関係なのか?男は何者なのか?男は事件と関係あるのか?東雲琴乃はどうして記憶を無くしているのか?男と東雲琴乃はどんな関係なのか?」
「謎だらけね…」
落ち込む乱菊を見かねて七緒が助言する
「調べればいいんです」
「できるんですか!?」
「人が人のことを全て知るなんてことは、土台無理な話です。少し手間はかかりますが、分からなければ調べる…簡単な話じゃありませんか」
七緒はニヤニヤと自分を見つめる京楽に気づいた
「なんですかっ隊長!」
「さっすが七緒ちゃん。七緒ちゃんならきっとなんとかしてくれる…よね?」
「お願いします!」
「え?」
「ありがとう七緒。いつかお礼するわ」
「お礼なら、これで」
京楽が酒を飲む仕草を乱菊にみせる
「……っでは隊長にもお手伝いいただけるということで構いませんね」
「えぇっ僕も?」
「当然です!」
2人のやり取りに思わず笑みがこぼれる
「あと、これを…現世のルキアと一護から、言付かってきました」
恋次は乱菊に冬獅郎の隊首羽織を手渡す
それを見つめ、一部赤くなっていることに気づく
「怪我をっ」
「一護の話だと、相当にひどく…」
「なのに、これを置いて姿を消したのね…生きていたことを喜ぶべきなのか…それとも羽織を置いていったことを怒るべきなのか…」
「それは…」
それは恋次にも、答えが分からなかった
「全く…みんながこんなに心配してるってのに、何やってるんだかねぇ…」
…─
「それはっ!……いえ……はい」
時計の針が頂点を回る頃
夜中に何気なく目が覚めた喜助は、隣に紫苑の姿がないことに気がついた
紫苑は織姫とテッサイによって、身体の傷を完治させた
まさか、また一人で琴乃サンを探しに…?
心臓が一瞬ザワついた喜助は、すぐに紫苑の霊圧が傍にあるのを感じた
皆が寝静まった夜、なるべく足音を抑えて一階に下りる
明かりも灯っていない商店
縁側へ続く襖が僅かに開いている
そこから聞こえた紫苑の声
「でも…………は……まだ」
困ったような彼女の声
恐らく誰かと通話をしているのだろう
こんな夜中に…