第51章 The DiamondDust Rebellion
大前田の対応に恋次は苦い顔をした
「なんだよ融通きかねえな…この辣韮頭」
「なんだてめぇ!今俺様を侮辱したろ!」
「してない」
「辣韮頭っていっただろ」
「知らねぇな」
押し問答を繰り返す2人の元へ、女物の派手な羽織を纏った死神が、副官を連れて現れる
「いやぁ~賑やかだねぇ」
「京楽隊長!」
「僕が一緒に入るよ、それならいいだろ?それとも…八番隊隊長が信用できないかい?」
京楽の助けで中へと入れた恋次は、縁側で乱菊に事の次第を話した
「草冠?分からないわ。聞いたことも無いと思う」
「そうですか」
「副隊長のくせに、隊長のことを何も知らないなんてね」
寂しげな表情をする乱菊に、皆が押し黙る
「東雲琴乃はどうだった?」
「接触した一護の話では、東雲琴乃は記憶を無くしているようです。紫苑もですが、平子さんとも関係があるらしくって…」
「平子って…あの平子さんよね」
「はい。詳しいことは今、ルキアが浦原商店の紫苑に話を聞きに行っています…が、紫苑も平子さんも重傷らしく…」
「そう…」
「隊長は、何かご存知ないのですか?東雲琴乃が在籍していたのは100年前ですし…」
副官の七緒がハッとしたように京楽に声をかける
京楽は目を伏せた
「まぁ……知ってはいるんだけどね」
「教えてください!京楽隊長!」
「お願いします!」
京楽は小さく息を吐いた
「あんまり良い話じゃあないよ…」
京楽は静かに、昔話を始めた
「そんなことが…」
「紫苑、大丈夫かしら…」
「きっと大丈夫さ。だってあそこには浦原くんが居るからね」
「そう…ですね」
乱菊は少しだけ安心したような顔をした
「浦原くんは、その事件の時も紫苑ちゃんの傍にずっと居て、支えてあげてたんだ。彼に任せておけば大丈夫さ」
「紫苑は大丈夫だとして…あとは隊長ね」
話が振り出しに戻ったように、4人は口を閉じた
その沈黙を破ったのは七緒だった
「まず、分からないことがいくつかあります」