第51章 The DiamondDust Rebellion
琴乃の頭の中に走馬灯のように記憶が巡る
胸元を突き抜ける刃
その刃を持つ人物
苦しむ自身の姿…
「紫苑…………」
紫苑とは誰だったか
自分とどんな関係なのか
何があったのか
「琴乃……思い出した…の…?」
温度が失われたように、冷たい色で
「…また私を殺すの?」
その瞳には、憎しみが宿っていた
「え……」
動けなかった
思考が全て停止して、体を動かす指令が脳から届かない
頭のなかが真っ白になった
再び頭の痛みに苦しみだした琴乃は、握ったままの斬魄刀に力を込めた
「アカン!紫苑、離れろや!」
平子が瞬歩を使ったと同時に、白い光が辺りを包んだ
「……っ白月」
その光は四方八方に広がり、紫苑と紫苑を庇おうとした平子を遥か遠くへ弾き飛ばした
「平子!西園寺!」
一護が二人の名を叫んだ時、既に二人の姿は無く、そこには鎖が外れた琴乃がいた
「一旦引きましょう」
赤い髪の女が琴乃に向かって言うと、3人はその場から姿を消した
「お、おい!」
一護は咄嗟に冬獅郎の姿を探した
「冬獅郎……?」
冬獅郎の姿は既に、どこにもなかった
「……っ」
目の前の景色がぐらつき、一護はその場に倒れこんだ
…─
目が覚めたら、紫苑が居なかった
ボクは急いで外に出た
薄く焼け焦げた模様…
そこには縛道の痕跡があった
「まさか…」
紫苑の霊圧を探り、その場所へ急いだ
これは…琴乃サンの霊圧…
その時複数の霊圧を感じた方向で白い光が放たれた
思わず一瞬目を瞑る
と、同時に物凄い早さでこちらに向かってくる2つの霊圧