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With me

第7章 もっと早く助けてあげたかった



私が浦原隊長のそばにいるから、琴乃も、沙也加さんも傷つけた…

もぅ、辛いよ…

出てけと言われても、こんな平隊員の私をもらってくれる隊なんて…

紫苑はハッと何かを思いだし静かに立ち上がると、自隊とは反対の方向へと歩き始めた


「失礼します…」

「おや、西園寺さん。どうされました?」


優しい笑顔の藍染副隊長が迎えてくれる


「平子隊長はいらっしゃいますか?」

「えぇ、こちらにどうぞ」


藍染副隊長が隊首室の扉を開けてくれる

お礼をいって中に入る


「おー紫苑か、どないした?」

「あの、私…」

「ん?なんや?何でも言うてみぃ」

「五番隊に入れてくれませんか?」


はァ?今なんて?


「お願いしますっ」


平子は少し考えて、頭をかきながら気だるそうに言った


「それ本気で、言うてるん?」

「…はい」

「喜助は承知したんか?」


返事が言えない紫苑を平子はまっすぐ見つめる


「散々紫苑のこと誘っといてこんなこと言うんもあれなんやけど…」


紫苑は緊張しながら次の言葉を待つ


「喜助が紫苑のこと離すとは思えへんけどなぁ」


喜助と近しい人はきっと、みんな知っている

喜助が紫苑に惚れているだろうってこと


「異動するには喜助の許可が必要や。何があったか知らんけど、一度喜助と話してみぃ?」


こうなることはわかっていたはず

どのみち、浦原隊長の許可は絶対必要だ

平子隊長の言うことは正しい…

でも…私に浦原隊長を説得できるだろうか…

沈んだ顔で五番隊を離れた紫苑は重い足取りで十二番隊へと向かった

幸い執務室には誰もいなかった

みんな帰ってしまったのだろう…

紫苑も足早に自室へと戻った




…─




「邪魔すんでー喜助ェ」

「おや、平子サンじゃないスか」

「ちょっと話したいことあんねん」

「何かあったんスか?」


喜助は研究の手を止め、平子と向かい合わせに座る

局員の1人がお茶をいれてくれる


「紫苑がなァ」

「紫苑サンがどうかしたんスかっ」


その勢いに平子は思わずお茶をこぼしそうになる


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