第51章 The DiamondDust Rebellion
「斬魄刀の徴収終了しました。これより保管庫に移動します」
「各自身を慎み、沙汰を待つように」
「そろそろ隊舎門を閉鎖します。松本副隊長は自室にお戻りください。阿散井副隊長、時間です」
「わかった。今行く」
恋次はルキアに声かける
「行くぜ」
「では」
隊舎を出ようとした恋次を、乱菊が小さな声で引き留める
「待って、一つ調べてほしいことがあるの」
恋次とルキアはその声に耳を傾ける
「隊長が追いかけてったその男だけど、私も隊長と関係があると思う。でなきゃ隊長があんな…」
入り口で恋次とルキアを急かす声がする
「それと、東雲琴乃のこともお願い」
…─
「ホンマに琴乃なんか…」
浦原商店に場所を移した喜助たちは、ちゃぶ台を囲っていた
紫苑は部屋で寝かせている
「紫苑が言ってたので間違いないでしょう」
「平子も感じたのじゃろ」
「そうやけど…」
なんやゾンビか?生きる屍か?
アカン、めっちゃ怖い…
「なんでや…アイツは、アイツはあの時……」
平子の拳が小さく震えている
落ち着かせるためにお茶を啜ると、深いため息をついた
「最近、よォ夢を見るんや。アイツの」
「夢…紫苑も同じこと言ってました」
「なんじゃ予知夢かの」
「ホンマに生きとるんなら、顔くらい見せに来いや…ドアホ」
平子の顔は苦しそうな、辛そうな表情をしていた
「…ほな、俺は帰んで」
「どこに行く気っスか…」
湯飲みの水面を揺らしながら、喜助は平子の背中に問いかけた
「アイツ現世に居るんやろ…」
「おそらくは」
「探してくるわ」
帽子を深く被り、平子は浦原商店を後にした
…─
翌日─
朝日が昇る前に目が覚めた紫苑は、隣に寝ている喜助を見つめてから庭へ出た
澄んだ空気が心地よい
息苦しさが、少しだけ解放された気がする
息を吐いた紫苑は目に力を入れ、しゃがみ、地面に向かって手をかざした