第51章 The DiamondDust Rebellion
100年ぶりに聞く懐かしい名前に、京楽は分かりやすく、卯ノ花と浮竹は僅かに顔を険しくさせた
「けっ、誰だよソイツは」
「聞いたことがないな」
琴乃の存在を知らない者を無視して、浮竹が砕蜂に険しい視線を送る
「その理由は?」
「霊圧残滓による推測結果ですが、東雲琴乃の旧友である、現十二番隊第四席の西園寺紫苑からの明確な証言によります」
その言葉にマユリは目線を鋭くして砕蜂を見る
「勝手なことを」
マユリを睨み返すと、砕蜂は総隊長へと視線を戻した
「襲撃者の一人は東雲琴乃と見て捜索を続けよ」
「はっ。尚、対象を追跡したと報告を受けている護衛隊責任者、日番谷十番隊隊長ですが自ら霊圧を封じた形跡が残されており…」
「お待ちください!日番谷隊長が職務を放棄したかのような発言は」
「では何故そのような行為をしたのだ。これは明確な法規違反だ」
「しかし私はっ」
「やめいっ」
総隊長の声が鋭く響く
「十番隊には全員拮据を申し付ける。場合によっては廃絶も覚悟しておけ」
「廃絶?十番隊そのものが、取り潰しになるということですか?隊士たちに落ち度はありません。責任なら全て副隊長のこの私に…」
総隊長の眼光に乱菊は身体を震わす
「副隊長の命ひとつで責任が取れる事態と思うか。分際を弁えよ!」
乱菊は過ぎた発言を仕舞い込み、唇を噛む
「まずは王印を探しだし回収すると同時に、事件の主要関係者と目される、十番隊隊長 日番谷冬獅郎及び、襲撃者、そして元十二番隊第四席 東雲琴乃の身柄確保を最優先とする!これは緊急特例である」
…─
乱菊をはじめ、十番隊の隊員たちは一番隊の隊員に斬魄刀を回収されていた
頃合いを見て恋次とルキアが乱菊に近づく
「…というところかな」
乱菊がため息まじりに、隊首会での結果を報告する
「東雲琴乃…恋次、知ってるか?」
「いーや。聞いたこともないぜ」
「100年前に居たらしいから、卯ノ花隊長、浮竹隊長、京楽隊長、涅隊長あたりは知ってるみたいだったけど…」
「紫苑の旧友なら、紫苑に聞きにいけばいいじゃねぇか」
「そうだな…」