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With me

第51章  The DiamondDust Rebellion



だけどこの様子だと、やはり気づいてしまったようだ

それは紫苑が、彼女を家族のように慕っていたからか

いつも傍に居たからか

彼女の霊圧が紫苑の魂に深く、深く刻まれていたから、僅かな霊圧にも気づくことができてしまったんだろう


「ボクも行きます」


降り立った場所は悲惨だった

所々焼けた草土

何人も倒れている死神

その中心に、二の羽織を着た人物が立っていた


「砕蜂サン」

「浦原…紫苑……結界を、張っておいたはずだがな」


声をかけた途端嫌そうな顔をするのは相変わらずだ

もう慣れた


「一体ここで何が…」

「護廷隊でないお前に話す謂われはない」

「なら儂も教えてもらえんのかのぅ」

「夜一様!」


なんでここにと、砕蜂は歓喜の目で、喜助は目を細めて夜一を見た


紫苑は喜助たちから少し離れたところにしゃがみこんだ


「どうして…」


どうしてあなたの霊圧が残ってるの…

生きているの?


「紫苑、その霊圧の残滓は…」


声をかけてきたのは砕蜂だった

砕蜂も琴乃のことを知ってはいるが、関わることはあまりなかったため、確信が持てなかった

きっと、紫苑ならその答えを出してくれるだろう…


「…東雲琴乃のもので、間違いないと思います」

「そうか…」


砕蜂にしては複雑な顔を見せた

紫苑と琴乃に起こったことは、砕蜂も当時夜一から話に聞いていた


「夜一様、此方に。浦原と紫苑も来い」


隠密機動に指示を出して、被害の少ない場所へと移動する

そして砕蜂は、この場所で起きた出来事を話し始めた


「本当に琴乃が生きているというのか…」

「あの時、琴乃サンの体は光に包まれて消えた…と卯ノ花隊長が仰ってました」

「しかし、一度は卯ノ花隊長が死亡宣告をしたのでは…」


気分が悪い

大事な話なのに、何も頭に入ってこない

どうして今頃…

どうして100年もたって

生きていたの?

生き返った?

どうして?あなたは私が…


「紫苑?」


無意識に喜助の袖を掴んでいた

振り向いたところにあった紫苑の顔色はかなり悪く、袖を掴む手に力が入る



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