第51章 The DiamondDust Rebellion
「近くまで来たので寄っちゃいました!あの、西園寺さん居ますか?せっかくだからお話したいなーなんて…」
少しだけ照れて、頬をポリポリする織姫
そう言えばこないだ向こうで会ったって言ってたっスね
だけど紫苑の今の状況的に、井上サンと会話するのはあまり良いとは思えない
「居るんスけど、ちょっと、体調不良というか…」
「え?風邪ですか?」
「風邪ではないんスけど」
疲労だろうか、それとも…織姫は考えを巡らせる
「あの子、昔から精神的にちょっと不安定でして…」
「え?そうなんですか?」
「ストレスに弱くて…昔はよく、四番隊に入院してましてね」
「そういえば前に会ったときも、検査するって聞いたような…」
織姫は前に紫苑に話しかけた時、少しだけ聞こえた勇音と紫苑の会話を思い出す
「じゃあ今体調が良くないのは、ストレスが原因なんですか?」
「んーとまぁ、そんなとこっス」
「そっかぁ…私も何か力になれればいいんですけど」
「その気持ちだけで、紫苑は充分嬉しいと思いますよ」
織姫は喜助の遠回しなお願いを感じ取った
西園寺さんと話すのはまた今度にしよう
「私また来るので、西園寺さんによろしく言っておいて貰えますか?」
「モチロンっス」
織姫は持ってきたパンを置いて、浦原商店を後にした
…─
最近、ヤケに懐かしい夢を見る
忘れられへん女の夢
100年も前の、1年位しか一緒に居れんかった女
もう二度と、戻ってくることはないアイツは、今更夢に出てきて何が言いたいっちゅーねん…
寂しいんか?
構ってほしいんか?
なんて言ったらアイツ照れて怒るやろな…
もし、尸魂界に戻れることが正式に決まったら、また墓参り行ったらなアカンな……
夜中に眠りから覚めた平子は、彼女が持っていた刀のような月を見ながら考えていた