第7章 もっと早く助けてあげたかった
「なァ、惣右介」
「はい、何でしょう」
「紫苑て笑うとめっちゃかわええよな」
「そうですね…」
書類を全て配り終わった紫苑は自隊へ向けて歩き始めた
「あらぁ、西園寺さんじゃない?」
「ほんとだ~丁度あなたに会いたかったの」
紫苑は心臓をえぐられるように、呼吸が一瞬とまる
「あの…何か御用ですか…」
「ちょっと付き合ってくれない?」
「あ…の、仕事があるので」
紫苑の抵抗もむなしく建物の裏に連れていかれる
「ちょっと私たち今イライラしてるの」
「憂さ晴らしさせてね♪」
彼女たちは席官だろうか…
抵抗する紫苑を鬼道で動きを封じて、痛め付ける
「どうして…」
「どうして?あなたが浦原隊長と仲良くしてるからよ!」
「そのせいで傷ついてる人がたくさんいるのよ!」
存分に紫苑を苛めた3人は気がすんだのか、攻撃するのをやめた
「言っとくけど~この事誰かに喋ったら」
紫苑はうつぶせのまま少し顔をあげる
「あんたの大切な友達も無事じゃ済まないかもね~」
「なっ…」
じゃあね~と3人は去っていった
私が、誰かに話したら…琴乃がっ…
力をいれても少ししか動かない体に、必死にムチを打つ
こんな状態で帰って、何を聞かれるか…
霊術院で成績の良かった回道を思い出しながら使って、目立つ傷やアザを消していく
「上手く消せたかなぁ…」
ある程度回復すると、紫苑は隊舎に向けて歩き出す
「っ…」
表面的な傷は治せたものの、歩くと痛みが残っている
怪しまれないように気合いを入れて歩き出した
「書類配り終わりました」
「お疲れっス、紫苑サン」
「隊長、研究終わられたんですか?」
ここのところ隊長は研究室にこもりっきりでほとんど会っていなかった
「まだっス。ちょっと息抜きでもと思って」
「お茶でもいれましょうか?」
紫苑は給湯室にいき、お茶をいれようと髪を耳にかける
その時紫苑の腕がふいに掴まれた