第46章 隊長やあらへんで
「そういうことならば」
今日は喜助さんは尸魂界に行っていて居ない
なんでも技術開発局から仕入れるものを、品定めに行っているらしい
私も行きたかったけど、一応仕事だし邪魔しちゃ悪いと思って遠慮した
そんなとき、こっちに来てからずっと考えていたことを実行しようと思い立った
「~♪」
思わず鼻唄なんてうたっちゃう
「紫苑さん、良い匂い」
雨ちゃんがこそっと台所を覗く
「雨ちゃん!」
「夜ごはん作ってるの?」
「うん、久しぶりに喜助さんにも食べてほしくて」
「そっか、紫苑さんの料理楽しみ」
「雨ちゃんの好きなハンバーグもあるよ」
嬉しそうに顔を緩ませると
「キスケさん喜んでくれるといいね」
と、準備を手伝ってくれた
そして夕方
そろそろ喜助さん帰ってくるかなぁ
サラダなどは既に食卓に並べ、あとは仕上げのみで喜助が帰ってきたらすぐに食卓を囲めるように準備を終えた
「なんと豪華な…」
「えへへ、ちょっと張り切っちゃいました」
「テッサイさんのと違ってなんつーか、おしゃれだな」
「うん、美味しそう」
カタンと、どこからかなにかが外れる音がする
おそらく地下の勉強部屋に開いた穿界門を通り、上にあがってきたのだろう
廊下にでるとすぐに喜助さんと顔を合わせた
「お帰りなさい、喜助さん」
それだけ言ってお帰りなさいのハグもチューもなしに、紫苑はすぐに背中を向けて、台所に向かった
「紫苑…?」
「今日は紫苑さんが、ごはん作ってくれたんです」
「え、本当に?」
喜助は軽く鼓動を鳴らしながらも食卓に座る
そういえば卓袱台の上には、既にたくさんの料理が並べられている
なんだか、懐かしい…
「お待たせ。食べよっか」