第46章 隊長やあらへんで
メインの料理を並べ終えて、紫苑も座った
「「「いただきます」」」
「美味しい!紫苑さん」
「おー、うめぇな…」
「うむ。文句のつけどころがありませんな」
「良かったぁ」
その時なかなか手をつけない喜助が気になって視線を送る
「キスケさん食べないんですか?」
「い、いただきます…」
おかずを一口、口に入れると喜助は噛み締めるように食べると箸を置いた
「喜助さん?」
「すみません、ちょっと」
そう言って喜助さんは居間を出てしまった
「なんだよ店長のやつ」
「具合でも悪いのかな?」
「美味しくなかったかな…」
肩を落とす紫苑に鉄裁が声をかけた
「きっと100年ぶりの紫苑殿の料理に感激しているのでしょう。今晩は店長のお部屋で召し上がられては?」
「うん、そうする。席外してごめんね、ゆっくり食べて」
紫苑は2人分の料理をお盆にのせて喜助の部屋を訪れた
「喜助さん、開けて…」
するとすぐに襖が開く
「一緒に食べよう」
ニッコリ笑う紫苑からお盆を受け取って机に置き、おもむろに紫苑を抱き締めた
「喜助さん?」
「ずっと、食べたかった…紫苑の料理」
心なしか喜助さんの声が震えてるような気がする
「なんか、感極まっちゃって…」
「…喜助さんの胃袋掴めたかな」
「掴まれてますよ。100年前からずっと」
紫苑は喜助の背中をポンポンと叩くと、座って隣をポンポンと叩いた
「冷めちゃうよ」
「いただきます」
次の日から、食事作りを鉄裁さんと日替わりにした