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With me

第46章 隊長やあらへんで



平子は喜助の他にも小さな霊圧があることに気付き、目を見開いた


「まさか…」


私はなんとなく緊張して、喜助さんの袖を掴んだ


「今日はお客さんを連れてきたんスよ」


喜助の後ろからひょっこり顔を出したのは、愛した人の親友


「おまっ……」

「紫苑!!」


言葉が出ない平子を追い越し、紫苑にまっしぐらに抱きつく小さなツインテール


「ひよ里さんっ!」

「紫苑、お前…本当に無事やったんな…」


私を見上げるひよ里さんの目からは涙がボロボロこぼれて、私まで泣けてきた


「紫苑、心配しとったんやで」

「リサさん…」


「紫苑ちん会いたかったよぉ!」

「白ちゃん…」


「お帰り」

「ローズたいちょ…」


「元気そうで何よりだ」

「六車たいちょう…」


「久しぶりだな」

「愛川たいちょう…」


「色々大変だったようデスね」

「ハッチさん…」


大好きな皆だ…

みんな容姿はいろいろ変わったけど、あの時のまま…


「紫苑…よぉ頑張ったな」

「平子…たいちょぉ…」

「もうみんな、隊長やあらへんで」


平子は紫苑の頭をくしゃっと撫でる


「紫苑、ウチなんもしてやれんとゴメンなァ…っ」

「ひよ里さんは何も悪くないですっ」

「喜助にいっぱい泣かされたんやろ?かわいそうになァ…っ」


ひよ里は涙目で喜助をギロリと睨む

喜助はアハハと、汗をかきながら頭をポリポリとかいている


「それよりお前、コッチに居って大丈夫なんか?喘息は?」


未だ抱き合う二人に平子が話しかける


「そうや、紫苑…平気なんか?」

「はい。実は、喜助さんに喘息を治してもらったんです」

「喘息を治したァ?」


そのとき平子の脳裏に過去の会話が甦る




"……なァ、紫苑の喘息治す方法、ホンマにないんか?"

"ボクは医者じゃないっスよ"

"スマンスマン……お前ならなんとかしてまいそうやから"

"無い訳ではないんスけど……"

"ホンマか?"

"まだ確実じゃないんス"



「確実になったっちゅーことか…」



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