第46章 隊長やあらへんで
第46章 隊長やあらへんで
「喜助さん、お願いがあるんだけど…」
「はい?」
こっちに来てからというもの、しばらくは環境の変化に体が戸惑っていたんだろう
紫苑の体調は芳しくなかった
それも漸く落ち着きはじめ、ここでの生活に慣れて、テッサイやジン太、雨、もちろん夜一サンとも上手くやっている
ちなみに紫苑が帰ってきて次の夜
抑えきれない欲望のままに、ボクは紫苑を抱いた
もちろん紫苑の体力を考えて、なるべく短く
体力が充分に戻った暁には、紫苑をあの手この手で、ニャンニャン言わせてアンアン言わせよう…
「喜助さん何かエッチなこと考えてるでしょ」
「あ、バレました?」
「もぅ!それよりお願いがあって…」
「はい、なんでしょう」
紫苑は喜助の向かいに座ると、真っ直ぐ喜助を見つめて言った
「ひよ里さんたちに会いたい…」
「そっスね…。体調も良さそうですし、ひよ里サンたちも会いたがってると思いますよ」
決戦のあと、四番隊での治療を終えた彼らは早々に現世に戻った
今の尸魂界には少し居づらいのかもしれない
彼らの処遇をどうするか、まだハッキリと決まらないままというのも理由のひとつだろう
平子サンだけは、琴乃サンのために来たみたいっスけど
紫苑が、目を覚ましたことは平子サンたちには伝えた
そして紫苑がこっちに来たことは、夜一サンから伝えてもらった
体調が良くなかったことも
きっとみんな、気持ちを抑えて、待ってくれているだろう
そしてボクは紫苑を連れて、仮面の軍勢のアジトを訪れた
「なんや喜助か……」
まだ姿も見えていないはずなのに、喜助さんの名前を呼んだその声に、酷く懐かしさを覚えた