第43章 色々ありがとう
「仙太郎はどうした?」
「それが途中でお腹を下してしまいまして…」
そこで紫苑たちの存在に気づいた清音は、向き直り軽く頭を下げた
「隊長、此方の方は?…浦原さんと…」
「彼女は西園寺紫苑。十二番隊の四席なんだ」
「初めまして」
ニコッと笑った紫苑に女ながらもドキッと胸が鳴る
「は、初めまして!十三番隊第三席の虎徹清音であります!…あの、十二番隊の四席って確かずっと空席だったんじゃ…」
「えぇ、私もそのように認識していましたが…」
二人が不思議そうな顔をするのも無理はない、と浮竹は笑った
「清音さんは、副官さんじゃないんだね?」
素直に疑問を持った紫苑は喜助に投げ掛ける
「十三番隊は今は副隊長は空席なんスよ」
「代わりに三席が二人いてね。もう一人も紹介しておきたかったんだけど…それはまた今度だな」
そしてハッとした紫苑は清音に近づく
「あの、もしかして清音さんって…勇音さんの?」
紫苑の綺麗な顔に見つめられた清音は再び頬を赤らめた
「は、はい!妹であります!」
「やっぱり!名字が一緒だからもしかして、と思ったんです」
「あの、姉をご存知で?」
「とーってもお世話になってます!」
それにしても勇音さん、妹がいるなんて一言も教えてくれなかったなぁ
あとで文句言っちゃお
「浦原くんと紫苑ちゃんは今も仲良しなのかい?」
「モチロンっスよ」
嬉しそうに答える喜助に、紫苑の顔も綻ぶ
そんな2人に京楽と浮竹もあたたかい気持ちになる
「も、もしかして二人は、お付き合いされているのですか?」
七緒の驚いた顔に紫苑は小さく微笑んだ
「全く羨ましいねぇ。ところで紫苑ちゃん、復隊するんだよね?」
「はい、週明け退院予定なので、その後に正式に。と言っても、すぐに現世に行くんですけど」
「現世に?紫苑ちゃん、確か喘息でいけないんじゃなかったっけ?」
その問いに浮竹が答えた
「なんでも浦原くんが禁術で治すって噂だよ」
「禁術だなんて…噂が1人歩きしてますね」