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With me

第43章 色々ありがとう



「ここは残しておくから、こっちに来た時に使ったら?」

「え、いいの?!」


てっきり他の人に明け渡すのかと思っていたから、嬉しくて思わず喜助さんに抱きついた


「喜助さん大好き!」

「そんなに嬉しかったんスか?」


返事の代わりにニコニコと笑う紫苑は、なんかもうたまらなく可愛いっス…


そして紫苑が手に取ったのは、飾られた写真

ひとつはボクと撮った写真

もうひとつは西園寺家の写真


紫苑はそれを大事そうに仕舞った


「思ったより少なかったっスね」

「またここに来れると思ったら、色々残しておかなきゃと思って」


段ボール一つ分の荷物を持つ喜助

八番隊舎に差し掛かった時、目を見開く男が居た


「え……」

「どうされました?隊長?」


副官らしき女性は、眼鏡の位置を正しながら隊長とやらに問う


「いやぁ、驚いたねぇ…。紫苑ちゃんかい?」

「西園寺じゃないか!」


男の陰からもう一人、長い銀髪の男が顔を出した


「京楽隊長!浮竹隊長!お久しぶりです!」

「こんにちはっス」


喜助は半歩後ろで2人に頭を軽く下げる


「目覚めた、とは聞いていたけど…。100年ぶり…だよねぇ」

「京楽とずっと心配していたんだ。何回か見舞いにも行ったよ」

「ご心配おかけしました」


京楽の後ろには副官らしき人物が、紫苑を控えめに見つめている


「あぁ、七緒ちゃん初めてだよねぇ」


京楽の言葉で少しばかり前に出た七緒


「初めまして。十二番隊第四席の西園寺紫苑です」

「こちらこそ初めまして。八番隊副隊長の伊勢七緒です。隊長たちとはお知り合いのようですね?」

「はい、100年程前にお世話になって…」

「100年前…ですか」


頭で考えを巡らせる七緒に、あとで説明するよ、と言うと京楽は浮竹を見た


「そいや浮竹、仙太郎くんと清音ちゃん遅いねぇ。せっかくだから2人にも紹介したいんだけど…」

「全く…どこまで忘れ物を取りに行ってるのか」

「あ、来たみたいっスよ」


ズドドドドとこちらに向かってくる人影が一人


「すみません!!隊長!!遅くなりました!!」


浮竹の前で急ブレーキをかけたその人は、すぐに頭を下げた
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