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With me

第42章 触れると、暖かい



「教えてくださいよ、マユリさん」

「君、私の忙しさ分かるかネ?そんなことに費やす時間は1秒たりともないんだヨ」

「えーじゃあ阿近は?」

「教えてやりたいのは山々なんだけどよ、俺も立て込んでて…」


紫苑が持たされた器具に目を落としていると、5cmはあるんじゃないかってくらい、分厚い取扱説明書をボンっと置かれた


「はぁー…」


紫苑のため息と同時に、同じくため息を吐いたマユリは、やれやれと言うように紫苑を横目に見た


「浦原喜助に聞けば良いだろう?」

「…そっか!そうですよね!マユリさんありがとう!」

「分かったら早く帰り給えヨ」


あの男が迎えに来てしまうからネ



隊舎の入り口まで阿近が送ってくれた


「あれが噂の女神か…」

「ヤバイ……めちゃくちゃ美人じゃないすか」

「十二番隊にあんな人が居たなんて」

「十二番隊入って初めて良かったと思ったぜ」


勇音さんに器具を少しもってもらって、阿近と少し話をする


「それにしてもお前、100年も眠ってなけりゃ副隊長も固かったのにな」

「私は副隊長の器じゃないよ…それに、四席に居たいの」

「紫苑さんらしいですね」

「勇音さんは、そういえばもう副隊長なんだもんね。阿近も三席だし。抜かされちゃったね」


私のことは良いですから、と照れたように苦笑いをする


「それじゃあ阿近お疲れ様」

「阿近さん!!」


その時隊舎に近寄ってくる人影が、阿近の名前を叫んだ


「檜佐木か、どうした」

「どうしたじゃないですよ!なんスかその美人!十二番隊の人ですか?!」

「あぁ、ウチの四席の西園寺紫苑だ」

「もしかして、噂の女神ですか?!あ、俺は檜佐木修兵、九番隊の副隊長をやってるんだ」


檜佐木、と呼ばれたその死神はどうやら九番隊の副隊長らしい

九番隊といえば、六車隊長と白ちゃん…

喜助さんの話だとみんな元気にしてるみたい

藍染隊長…さんとの決戦のあと、四番隊で治療を受け現世に戻ったらしい

その時まだ眠っていた私に、皆会いに来てくれてたみたい

現世に行ったら会いにいこう


話しかけてきた修兵に、紫苑は笑顔で返事をする

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