第7章 もっと早く助けてあげたかった
第7章 もっと早く助けてあげたかった
「ねぇ、あなたが西園寺さん?」
急に呼び止められた、そこには3人の女性隊員がいた
見覚えがないから、同じ隊ではないのかな?
「はい、そうですけど…」
「ちょっと来て」
言われるがままについていくと、そこはもう使われていない古い倉庫だった
ガシャンッー
何が起こったかわからなかった
気づいたら私は尻餅をついていて、背中には廃材やらなんやらよくわからないものが転がっていた
「なん…で」
「あんたムカつくのよ!ちょっと浦原隊長に気に入られてるからって、いい気になって!」
「平隊員のくせに隊長の隣を歩こうなんて、100年早いのよ!」
パシィン!
紫苑の頬に痛みが走った
ヒリヒリする…こんな風に叩かれるのは初めてだった
叩かれた衝撃で紫苑の手から2枚の写真が落ちた
「あっ、返してください!」
「こんな写真のために隊長を使って…どこまで調子に乗ってるの?!」
「やめて!ダメ!お願い…それだけは…!」
ビリビリビリッ…─
紫苑の目の前をハラハラと落ちていく、バラバラになった写真…
写真に伸ばした紫苑の手は空を掴んだ
頭の中が真っ白になった…
「調子に乗ってるからよ!」
そう言い捨てて女性隊員たちは去っていった
1人残された紫苑は目の前の、バラバラになった写真を拾い集める
ちゃんと全部集めたいのに、目の前が滲んでぼやけて…
大切な写真なのに、涙で濡れてどんどんふやけていく
「ごめん‥ごめんね‥琴乃っ‥」
遠くで終業を知らせる鐘が鳴っていた
…─
「おつかれっス。あぁ琴乃サン、写真貰いました?」
「お疲れ様です、隊長。写真ってなんのことですか?」
「あれ、まだ紫苑サンに会ってないんスか?」
そういえば隊長、朝一で紫苑と出掛けていったのにいつ帰ってきたんだろう
「紫苑まだ帰ってきてないですよ?てっきり隊長と一緒かと…」
「…嫌、紫苑サンは先に戻ったはずなんスけど……ちょっと探してきます」
その時執務室の扉が開いた