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With me

第37章 雨が、やんだ気がした



「ごめんなさい、私…辛いのは、私だけじゃないのに…自分のことばっかり…」

「他のことはボクに任せていいから、紫苑は自分のことだけ考えてていいんスよ」

「私、喜助さんの負担になってない?」

「負担に思ったことなんてないっスよ」

「……ありがと」


その後、終業まで仮眠室で休ませてもらって、その間喜助さんは仕事に戻っていた


「紫苑、そろそろ帰るよ」

「もう仕事、終わったの?」

「うん、紫苑のために頑張ったからね」


その夜、喜助さんは一緒に寝てくれた

私を安心させるように、抱き締めて、頭をなでてくれた

その温もりに、匂いに包まれていると、凄く落ち着いて、凄く安心して…気付いたら深い眠りに落ちていた


翌日から、喜助さんは仕事に行き、私は喜助さんの部屋で1日を過ごした

四番隊の隊員たちが日替わりで来てくれて、点滴をしてくれたり、食事も用意してくれた

食事は未だ、半分も食べられなかった

休憩時間になると、ひよ里さんや白ちゃん、リサさんが会いに来てくれた

喜助さんは休憩時間は一度も来なかった


「喜助が来ないんは、夜紫苑と一緒に居るために仕事終わらしてんねん」


私が寂しそうな顔をしてるのに気づいたのか、ひよ里さんが教えてくれた


「そうなんですか?」

「昼間は四番隊員やったり、ウチらが居るやろ。喜助は紫苑が夜眠れんの心配しとるんや」

「…私心配かけてばっかりですね」

「アホ、心配くらいさせぇや。そや、紫苑。今度の夏祭りみんなで行かへんか?」

「夏祭り?」


もうそんな時期か…

正直、余り気分は乗らない


「たまには気分転換したらどうや?まァ、無理にとは言わんけど…」


それを帰ってきた喜助さんに言うと、


「いいじゃないスか。ボクも行くから、一緒に行こう?」

「うん……」


喜助さんが居るなら、安心かな…




…─




夏祭り─


浴衣に着替えて、髪は喜助さんに結ってもらう


「はぁ、ほんと可愛いっスね」

「ありがと」


待ち合わせ場所に行くと、もうみんな集まっていた


ひよ里さん、リサさん、白ちゃん、六車隊長、愛川隊長、ローズ隊長


「平子サンは?」

「真子は一応誘ったんやけど、来ォへんて」


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