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With me

第35章 手出したら命無いっスよ



「ふぅ、助かりましたねぇ」

「これで何隊目や?」

「さぁ…」

「半分は来たんちゃうか」



それも隊長自ら…

まぁ、誰が来たって渡しませんけど


「それより紫苑と琴乃、何席にするんや。席次あげるんやろ」

「もう決まってますよ」


タイミングをはかったかのように、元々呼ばれていた紫苑と琴乃がやってきた


「これが紫苑で、こっちが琴乃サン」


それぞれの前に任命状が置かれる


「この瞬間ていつもドキドキするね」

「そうだね、失礼します」


部屋の外に出て、適当な位置まで歩く


「そういえば最近来客が多いみたいだけど、なんでか知ってる?」


今日も朝から浮竹隊長と、白ちゃんと六車隊長が来ていたし…


「紫苑、アンタ何にも知らないのね…」


ため息をつきながら手を後頭部で組み、呆れたような声をだす


「え、琴乃は知ってるの?」

「他の隊が紫苑貰いに、隊長に直談判に来てるのよ」

「え、私!?」


ほんと、全く気付いていないのねこの子

隊長も大変だわ


「だけど、片っ端から断ってるって」

「え、喜助さんが…」


頬を両手で覆うようにした紫苑の手から、任命状が落ちる


「ねー早くみようよ」


咄嗟に任命状を拾い上げる紫苑に、上から言葉をかける


「そだね」


タイミングを合わせて一緒に開く


「うわ、大分上がったね。四席だって、私」

「五席か…」


隊長は喜助さんで、副隊長はひよ里さん、三席はマユリさんだから、これ以上はなかなか上がらないだろうな


「紫苑?」

「ん、いや…五席ってさ、沙也加さんのいた席次だよね」

「そだね…沙也加さん元気してるかな」

「あの時、沙也加さんに凄く憧れていたんだけど、私もそんな風になれるのかなって」


聡明で人望もあった沙也加さん

最後はあんな風に別れてしまったけれど、やっぱり今でも尊敬できる


「私なんてそれより上の四席なんだけど…そんなこと気にしてられないよ」

「…だね。自分なりに頑張ってみるよ」



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