第34章 お仕置きっス
うっさいわ琴乃!と向かいに座っている琴乃に叫ぶひよ里
「女神さんが彼女やと大変やなァ、喜助」
「ほんとっスよ。ちょっとモテすぎじゃないですかね」
「き、喜助さんだって凄くモテるくせにっ」
顔を赤くして喜助をチラ見しながら必死に訴える
「ボクは紫苑しか興味ないっスから」
優しい笑顔で覗き込まれると、心臓がぎゅっとなってなにも言えなくなる
「アツいなぁーお二人さんは」
「見せつけてくれるやんけ」
「ほんま喜助にはもったいないわ」
「真子はあーいうこと言わなくていいからねっ」
なんでや?と、いった表情で琴乃を見下ろす平子
「し、心臓持たないからっ」
平子の腕をパシッと叩く
「こっちはこっちでラブラブやんな」
「ひよ里、ウチらアウェイやで」
「知るか」
昼休憩の終わる4人は先に店を後にした
「じゃあ紫苑、また明日」
「うん、午後も頑張って」
「お疲れさんー」
残った紫苑と喜助は途中の食事を再開する
「なんか、紫苑仕事に行かせるの嫌になってきたっス」
「え、なんで?」
分かってるんだか、分かってないんだか…
「独占したいからっスよ」
「ど、独占っ」
お茶を飲んでいた紫苑は思わずむせて胸を叩く
「他の男の目に写したくないっス」
「も、いいから…恥ずかしい」
喜助さんはクスクスと笑いながら頬杖をついている
そんな姿も様になるなぁ…なんて
(専業主婦になればいいのに…)
「え?何か言った?」
「いーえ、何も」
紫苑は疑問に思いつつも、食事を終えた
ほんと、そんな顔もいちいち可愛いんスから…
紫苑とずっと一緒に居たい
紫苑以外考えられないんスよ…
…─
「あー紫苑ちゃんやん。久しぶりやな」
「ギン!」
五番隊に書類を届けた帰り、ギンに声をかけられた
「なァちょっと話そ」
「え、ちょっ」
いきなり手を引かれたかと思ったら、もうそこは屋根の上だった
小さいのに力は大人顔負けだな