第34章 お仕置きっス
平子は小さなため息を吐いて窓の外を見つめる
「秘密主義やなァ」
「まァ…仕事柄っスね」
その時、喜助の目の端で布団に寝ていたはずの紫苑が起き上がる様子が映った
「きすけさん……どこ」
震える声で自分を呼ぶ彼女に何があったのか…
「ちょっと行ってきます」
平子に断りを入れて、布団に近づく
「きすけさん……行かないで……っ」
紫苑の顔を覗き込むと、その瞳からはハラハラと涙が零れ落ちている
「紫苑、ボクはここにいるよ」
ぎゅっと紫苑を包み込むと、紫苑は安心したと同時に大きく泣き出した
背中を優しくさする
平子も心配そうに見つめている
「怖い夢でもみた?」
「っ……きすけさん…がっ、いなくなっ……ちゃう夢……」
「それは怖かったっスねぇ」
大丈夫、ここにいるよ
何度も言い聞かせているうちに落ち着いた紫苑を布団に寝かせる
「琴乃は爆睡やで」
「いいことじゃないスか」
「俺らも寝るか」
「そっスね」
喜助は紫苑の、平子は琴乃の布団に入り、目を瞑った
翌朝─
「じゃあ俺らは帰んで」
「またねー紫苑」
平子はさすがに連休をとれなかったらしく、今日は午後からの出勤らしい
琴乃は非番ではあるけど、平子に合わせて帰るようだ
「うん、気を付けてね」
早朝に帰っていく2人を見送ると、まだ敷かれたままの布団を紫苑が畳む
「何してんスか?」
「え、布団を……ちょ、喜助さっ」
紫苑の畳み掛けていた布団を伸ばし、紫苑を布団に組敷く
「ボクずーっと我慢してたんスからね」
「で、でも……」
「浴衣がはだけて胸は見えそうだし、太ももはエロいし……ロクに寝れなかったんスけど」
喜助は段々と顔を紫苑に近づけていく
「ご、ごめんなさい」
「まだ時間ありますから、たっぷり楽しみましょうね、紫苑」
ニヤリと艶かしく口角をあげる喜助にときめいてしまった
このあと時間ギリギリまで紫苑はたっぷり頂かれたらしい…