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With me

第34章 お仕置きっス



次に紫苑が入ったお店は、雑貨屋さん


「喜助さん、ここで髪紐選んでもいい?」

「うん、ゆっくり選びなね」


あれも可愛いこれも可愛いと次から次へと試す紫苑の方が可愛いっス


「これにしよっかなぁ。どうかな?」

「うん、似合うと思いますよ」


藤色の髪紐、糸端に珠飾りがついている

会計を済ませると、包まれた髪紐を大事そうに抱える紫苑


「ありがとう、喜助さん」

「いーえっ」


喜助さんの笑顔を見ていると、心まで暖かくなる



紫苑の笑顔を見ていると、心まで暖かくなる



"幸せだ"


心配していた喘息症状も全く出なかった

やっぱり喜助さんは凄い


「そろそろ帰りましょうか」

「……ぅん」


日が落ちかけていることに、気づかないふりをしていた

この時間がずっと続けばいいのにと思った


「また来れるよ。だからそんな顔しないで」

「そ、だね」


喜助さんの手を取り穿界門をくぐる

そのまま同じ部屋に戻って、同じ布団に入る


これ以上の幸せがあるだろうか


「喜助さん……」

「なぁに?疲れた?」


喜助の腕に頭をのせて天井を向いていた紫苑は、向きを変えて喜助の顔を見上げる


「喜助さん」


顔をぐっとあげて唇を寄せてくる


「珍しいっスね…」


紫苑からキスされたのなんて、数えるくらいだろう

会話もなく、ボクの名前を何度も何度も呼びながら唇を重ねてくる


「喜助さん……喜助さん」

「いるよ、ここに」


好きなの

好きすぎて苦しいの

もっとあなたに触れたい

もっとあなたが欲しい

あなたの全部を頂戴?


「喜助さんが欲しい…」

「全部紫苑のモノだよ…」


いつの間にか体勢は逆転していて、仰向けになった私の上には喜助さんがいた


とろけるような甘いキス、たっぷり絡ませた舌先を吸い上げられる


「好き、大好き…」


全身にあなたの印が刻まれる

その度に私はあなたのものなんだって思う


「喜助さん、ちょっと待って…」

「え?」


待てないっスよ…

と言いたげな顔を無視して、首筋に顔を埋める


「紫苑?」


ッ─と首筋に僅かな痛み

驚いて紫苑を見ると、小さくにぃっと笑って

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