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With me

第33章 喜助さんの話しないで



アカン、一瞬喜助のこと格好エェとか思ってしまった


「元々好きやった俺が言うんもアレなんやけど、紫苑と付き合うの大変やないん?すぐ体調崩すし、情緒不安定やし…喜助が居らんと生きていけへんやろ紫苑」


カタンと湯飲みを置いた喜助はまっすぐに平子を見つめる


「それも全部含めて紫苑っスから。重荷なんて思ったことないっスよ」

「はーなんか痒なってきたわァ」


お茶をのみ終えるとソファに寝転がるように体を預ける平子


「…せめて好きくらい言うて欲しいんやけどな」


天井を見ながらポツリと呟く


「喜助さん、お待たせ…と平子隊長、お疲れ様です」

「おーお疲れさん、紫苑。具合はどうや」

「とりあえず熱は下がったので平気です」


滴り落ちる程ではないが、まだ濡れている髪が鎖骨あたりに張り付いて、より一層色っぽくみえる


「おいで、紫苑」


大きめの手拭いを持った紫苑は喜助に手渡し、喜助の足の間に座る

さも当然かのように紫苑の髪の水分を手拭いに吸わせていく


「仲ええなぁ、イチャイチャしゃーがって」


怒ってるのか?と疑問に思った紫苑は、喜助の顔を見上げる


「琴乃サンがイチャイチャしてくれないから僻んでるんスよ」

「誰も僻んでへんわ」

「ふふっ、琴乃ツンデレだから大変でしょう?」

「ホンマやで。まァデレた時はめっちゃ可愛いんやけどな」


すると遠くからバタバタと大きくなってくる足音が響いた


足音が最高に達した時、扉が勢いよく開く


「終わった!!」

「遅いわアホ」

「ごめん真子!」


待っててくれたんだ…

ってちょっとキュンとしちゃう


「お疲れっス、琴乃サン」

「おつかれー」

「紫苑、もう平気なの?」

「うん、お陰様で」


良かったと、安堵する琴乃の隣に真子が立つ


「帰んで」

「あ、うん…」


(なんか真子怒ってない?)

と後ろを向き紫苑に訴えるも、紫苑はにこやかに笑っているだけだった

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