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With me

第33章 喜助さんの話しないで



片目だけを開いた喜助は紫苑の腰にぐっと手をまわし、紫苑の膝に頭を乗せた


「紫苑の膝…気持ちいいっス」


スリスリと頬を寄せてくる姿がかわいくてキュンとしちゃった、なんて言ったら喜助さんはどんな反応するかな


喜助さんはぐっと力をいれて、体を起こすとぎゅっと抱き締められた


「あ、汗臭いよっ」

「具合どう?」

「ん、大分楽」


よかった、と深い安堵のため息をつく


「やっぱり紫苑はボクの光っスね」


紫苑がいるだけで、いつもの全てが輝いてみえる

紫苑のために、仕事も頑張れる

原動力っスね


「なんの話し?」

「こっちの話し」


キョトンとしている紫苑にキスをする

触れては離して、触れては離して

腰に回していた片方の手は自然と顎をつかんでいて、気づいたら紫苑の舌に自分の舌を絡めていた


「ん……ふぁ……」

「足りない……」


紫苑が足りない……


キスをやめてもう一度きつく抱き締める


「好きだ…紫苑が好きすぎる。壊してしまいそうなくらい」


紫苑はボクの全てだ


「喜助さんも寂しかったんだね」

「当たり前じゃないスか」


漸く紫苑を解放して、飲み物を渡した


「もう仕事終わる時間だけど、ここで寝てる?それとも帰る?」

「え、もうそんな時間?」


結局1日寝て過ごしてしまうなんて、席官のくせに情けない


「シャワーあびてから帰ろうかな」

「じゃあ待ってるっス。紫苑は明日も休みね」

「え?もう大丈夫だよ」

「病み上がりに無理するとぶり返しますよ?」

「でも…」

「隊長命令」


うっ……それを言われて逆らえる人は少ないんじゃないかな

私は首を縦にふって、シャワー室へと向かった






…─






「あれ、琴乃サン、まだ居たんスか?」


執務室を覗くと、琴乃が慌てて書類をまとめていた


「あ、隊長お疲れ様です。それがこれ配るのすっかり忘れてて」

「明日でいいじゃないスか」

「いえ、期限まで近いからこれから急いで配ってきますー」

「お疲れっス」


執務室を出ようとしたところで、パッと振り向く


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