第31章 平子サンとは何を話したんスか?
「あ、喜助さん!……と、平子隊長」
紫苑は思いを告げられたことを思いだした
そして、琴乃の気持ちも
「平子サンと一緒に居たんで、連れてきました」
「琴乃どないしたん?」
あ、思ったよりもフツーだ
どう接すればいいか考えていた紫苑は、意外にもいつも通り接してくれる平子に胸を撫で下ろした
「それが、飲みすぎちゃいまして…琴乃、ほら帰るよ」
「スー……」
紫苑が体を揺らすも全く動じない
「爆睡っスね」
「琴乃そんな弱ないやろ?」
平子が紫苑に聞く
「なんか珍しく強いお酒飲んでたんですよ」
「んーとりあえず、平子サン、送ってあげてくださいな」
「な、なんで俺やねんっ」
すると喜助は平子に近づいて
「琴乃サンが新しい恋の相手なんでショ?」
コソっと耳打ちすると、平子が途端に焦り出す
「な、なんやねん急に!アホちゃうか?」
思わず大きい声が出た平子は咄嗟に口元を覆う
「あれ?違うんスか?じゃあボクが送って…」
「お、俺が行くわ!」
「じゃ、よろしくお願いしまぁす♪」
平子におぶられてお店を後にする琴乃
2人を見ながら状況がイマイチ飲み込めない紫苑は、ポカンと頭に?が浮かんだ
ヒラヒラと手を振る喜助をチラッと見る
「さてと、ボク等どうします?ここで飲みます?それとも…」
「ねぇ、さっきの…」
「こないだ言っていた地下でも行きますか?」
「え、いいの?」
双極の地下まで手を繋いで歩く
紫苑はさっきのことが気になって仕方ない
「で、さっきの何だったの?」
「んーなんか平子サン、新しい恋が始まったみたいっスよ?」
「へ?新しい恋?」
私に告白したばっかなのに、もう新しい恋?
「告白されたばかりなのにって思ったでしょ」
「お、思ってない…」
「……ま、いいっスけど。どうも相手が琴乃サンみたいっスねぇ」
「え、そうなの?」
わ…どうしよう…
それってつまり…
喜助はん?と紫苑のほうに目線を配る