第28章 喜助さん…ごめんなさい
昨夜─
ピピピピピピ─とボクの伝令神機が鳴り響く
紫苑を起こしてはいけないと、すぐに確認すると技局のほうで局員の手違いで、何度か爆発があったらしい
仕方なく準備をして、まだ眠っている紫苑に声をかける
「紫苑、ごめんね。先に行くね」
起こさないように小声で言ったものの、ボクが部屋を出ようとしたとき
「喜助さん…今日お休みしてもいい?」
背中から小さなか細い声が聞こえた
「ん?あー今日は人数少ないから休まれるとちょっとキツイんスけど……体調良くない?」
「ううん、大丈夫。薬飲んでおくから」
「無理しちゃダメっスよ」
その言葉を鵜呑みにした自分を殴りたい
紫苑の大丈夫は、全然大丈夫じゃなかった…
…─
技局に入ると、所々から煙が立ち込めて、焦げ臭い匂いに思わず鼻を塞ぐ
「局長ー!申し訳ありません!」
「フン、圧に耐えることのできない作りが悪いんだヨ」
「ほら涅さんも謝りましょう!」
「元はといえばこの軟弱な機械を作った浦原喜助が悪いんだヨ」
全く悪びれる様子のないマユリに喜助は小さく息を吐く
「いいっスよぉ~もっと強固なものにしますから」
もちろん全員に手伝わせますケド…
…─
処置を終え、隊首室に戻り一息ついた
もう始業の時間になろうというところだ
紫苑の淹れたお茶がのみたい…
ちゃんと起きれたかな…ちょっと様子を見に行こう…
喜助が立ち上がった時
「おはようございますっ隊長」
「あぁ、東園寺サン。おはよっス」
喜助はイスに座り直した
どうしました?と聞くと、彼女の手にはお茶と茶菓子
「これ新しい茶葉なんです!よかったら如何ですか?」
「ありがとっス」