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With me

第26章 気づいたら、体が、顔が勝手に…



「ボクはもちろん紫苑の愛妻弁当っスよ♪」

「愛妻なんて……っ」

「照れちゃってぇ」


ふと、もう1つ可愛いらしい包みに包まれたお弁当が目に入った


「喜助さんそれは?」

「あ、これはさっき東園寺サンに貰って…」

「へぇ…食べるの?」


あ、また胃が…


「あ、えっと……」


紫苑の表情が段々曇っていく


「東園寺って誰やねん?」


隣の琴乃とひよ里にコソッと質問する平子


「ウチの新入隊員や」

「浦原隊長のことが好きで、紫苑に宣戦布告した強者ですよ」


なるほどなァ…紫苑が遠くを見てた理由はなんとなく、それやな


「なら私のお弁当なんていらないよね…」

「え、そんなわけないじゃないっスか!」

「じゃあなんで受けとるの?」

「いや、せっかく作ってくれたし…」


険悪ムードの2人に誰が助け船を出すか、3人は視線を合わせる


「喜助ェ、あんまし優しさ振り撒いとっと紫苑泣いてまうで?」

「え、泣いて…」


泣くまではいかないものの、ほんのり潤ってる瞳


「ご、ごめん…もう受け取らないから…ね?」


鼻をすする紫苑を必死になだめる喜助


「じゃあその弁当ウチが食べたるわ!」


ひよ里に渡った彼女のお弁当は、彩りもよくなかなかのものだった

なんとか落ち着いた紫苑に安堵した喜助は、弁当の包みをあける


「ん、やっぱ紫苑のお弁当が一番っスね!」


あー私、すっごく嫌な子だったよね…

東園寺さんごめんね…


「紫苑はもう食べないんスか?」

「え?あ、うん…今日あんまり動いてないからお腹空かなくて」

「そっスか」


ほんとはちょっと食欲無いんだよね…

お腹も痛いし


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