第24章 私の喜助さんに触らないで
「録霊蟲の存在は十二番隊なら大体に、その存在が知られていますし、対策もされやすい。実際に今回もその対策はされていたようですしね」
監視カメラ映像の一覧から、該当のものを表示させる
「まぁこの監視カメラの存在は、ごく一部の局員にしか教えてないので…2人とも他言無用でお願いしますね」
本当に局長は怖い
抜け目がないというか
「あ、東園寺さん!と、もう1人いる」
画面の映像には該当のパソコンで作業する男と、凛音の2人が映っていた
「こいつは…」
「彼は確か…東園寺サンの幼なじみっスね」
「幼なじみなんか居たの?あの子」
「彼女に好意を持っているらしいっスよ」
「隊長なんでそんなこと知ってるの?」
「昔ちょっと、話したことがありまして」
さて、どうしてやりましょうかねぇ
「隊長怒ってるよね?落ち着いてるけど」
「実は腸煮えくり返ってるかもな」
「ところで、どうしてこれ壊れてるんスか?」
伝令神機はまだまだ改良の余地有りで、外装には特に強い素材は使っていないから壊れても不思議ではないけど…
「それは写真を見た紫苑が、珍しく怒りを露にした結果です…」
「え?これ、紫苑がやったんスか?」
頑張れば女性でも壊せないこともないが…
「余程嫉妬してくれたんスかねぇ」
「局長にやけてるな」
写真を撮った人物も、送った人物も大体特定できた
紫苑を傷つけた罪は重いっスよ…
「あ…」
どうやって締めて…
「…その2人が写真を送ってきた人たち?」
「紫苑?」
振り返ったそこには紫苑がいた
「もう起きて大丈夫なんスか?」
喜助は紫苑の腰を支えて、となりのパソコンの椅子に座らせる
「大分楽になったから」
「そう、良かった」
紫苑は改めて画面に映る2人を見た
「このこと…喜助さんには知られたくなかったんだけどな…」
「紫苑ごめん…私のせいだ」
「いいの。ただ喜助さんが、東園寺さんにされたことを、知らないままだったらいいのにって、思っただけだから」