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With me

第24章 私の喜助さんに触らないで



…あの送信元、使い捨てだったけど阿近に頼めば調べられるかな…

喜助さんには…


「紫苑、進んでないけど大丈夫?」

「え…あ…うん、ちょっと考え事してて」

「あの写真のこと?」

「…気になっちゃって」


あー頭痛がひどくなってきた

いつの間にか紫苑はペンを置いて頭を抱えていた


「報告書は明日にして、休んだら?」

「でも、あとちょっとだから…」


気合いを入れてペンを持つ紫苑

報告書が終わったらすぐに休ませよう

琴乃は紫苑の様子を気にしながら、自分も報告書を進めた


カリカリとペンを走らせる音が執務室に響く


「終わった」

「紫苑、こっち来て」

「あ、ちょっと提出…」


手を引かれるまま琴乃についていく

半強制的に仮眠室へと入れられた


「提出はやっておくから、もう休みな。あとこれ、新しいの頼んでおくから」


すっと抜き取られた壊れた伝令神機

そういえば私が壊したんだっけ…


「あ、でも…」

「壊れてるけど、調べられるかもしれないでしょ?」

「ありがと…」


琴乃が出ていくと、紫苑は秒で眠りにおちた



さてと、誰に頼もうかな


技術開発局に来た琴乃は親しい局員がいないか、あたりをキョロキョロする


「あ、阿近!」

「琴乃、帰ったのか」

「研究終わったの?」

「あぁ、あとは局長と副局長でやるって」

「良かった!ちょっと頼みたいことがあるの」

「あ、おい!」


パソコンが並ぶ部屋

目立たない外れのほうのパソコンに阿近を座らせる


「ったく、相変わらず乱暴だな」

「昨日、紫苑の伝令神機に写真送ってきたのが誰か、調べてほしいの」

「写真?なんの?」

「…隊長と東園寺さんがイチャイチャしてる写真」

「あーアイツか…紫苑が行ってから、随分局長にベッタリだったからな」


琴乃が伝令神機を見せる


「壊れてんじゃねぇか…」

「だから、それも含めて調べられないかな?」

「まぁ、やってみるよ」

「ありがと!阿近!愛してるよ!」

「はいはい」

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