第23章 私、諦めませんから…!
喜助さんが出ていってから、少しして私も執務室へと戻った
喜助さんはあんなこと言っていたけど、タイミング良くか悪くか、一番隊の人が来たから必然的に隊首室に入ったみたい
そして必然的に、東園寺さんがお茶を持って行ったようだ
「ありがとうございました!浦原隊長!」
急ぎだった一番隊の隊員は、判を貰うなり足早に十二番隊を後にした
「おかえり。今、隊首室の中、隊長と東園寺さんだけだよ?いいの?」
「え、うん…まぁ」
「あらぁ?彼女の余裕?それとも充電、のおかげかな?」
「じ、充電っ……!」
たじろぐ紫苑に琴乃は得意のにやけ顔
それを無視して私は席についた
しばらくして
「それじゃ隊長、失礼しますねっ」
嬉しそうな高い声
隊首室から出てきた栗色の髪の子と目が合う
「おつかれさまですっ」
「お疲れ様」
ふふふん♪と彼女は鼻唄を唄うように足取りが軽そう
「こんな気持ちだったのかな…」
「誰が?」
「沙也加さん…」
「やっぱムカついてんじゃん」
「ムカついてるわけじゃ…」
ないんだけど…
別に余裕でもなんでもない
むしろ余裕があったときなんか無かった
私の気持ちは変わらなくても、人の気持ちはいつ変わるかわからない
「牽制しといたら?」
牽制なんかしたら、それこそ余裕がないです
と言うようなものだ
「それは嫌」
好きな気持ちを抑えさせるのって、違う気がする…
「じゃあ自信持って堂々としてなよ。心配しなくても隊長は紫苑にベタ惚れだから」
肩をポンと叩いて琴乃は自分の席に戻った
その日の夜─
「あっ…待って…きすけ…さっ…!」
「無理っス……も…」
「やっ…ぁん……ぁ……っ」
紫苑との甘い充電の時間を邪魔された喜助は、帰ってくるなり激しく紫苑を抱いた
「良い声…っ」
「あ…待っ……や…はげし…っ」
「もっと声聞かせて…」
自然と腰が早くなる
それに合わせて紫苑の喘ぎ声も回数を増していく