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With me

第23章 私、諦めませんから…!



くりっとした大きな瞳

白い肌


「ほ、本当…」


真っ直ぐな彼女

正直可愛い子だと思った


「あの、私…あの…」


黙っていたらお人形さんのようだ


「えっと…」


少しびくびくするように、俯きがちに何度も目線を変えながら、何度も息を吸ってる

きっと凄く勇気を出してるんだろう


「私、浦原隊長が…」

「うん…」


いつの間にかさっき彼女と一緒に居た友人や、近くに居た隊員が集まっている

潤んだ瞳の彼女


『なんか紫苑がいじめてるみたいですねっ、ひよ里さんっ』

『琴乃なんでそない楽しそうなんや…』

性格悪いで…


と言うひよ里を無視して、琴乃は再び紫苑たちのほうを見た


「浦原隊長が好きなんです…っ」

「…うん」

「ずっと、ずっと好きだったんです」

「そう…」


私、なんて言えばいいんだろう…


「だから、あの…っ…私、諦めませんからっ」


私の目をまっすぐ見て、拳を握りしめながら


「いきなりすみませんでした!失礼します…っ」


彼女は走り去っていった

ざわざわと周りが少し騒がしい

中途半端に口を開けたまま呆然とする私の肩を琴乃がつかむ


「本当に宣戦布告されたねっ」

「…うん、そだね…」

「なんやおもろいのが入ってきたなァ」


別に今までこんなことがなかったわけじゃない

喜助さんと付き合ったばかりの頃は、散々陰口を言われてきたのも知ってる

だけど彼女の必死な訴えは、私の心を抉るように撫でた

なんだろう…胸のざわめき

早くなる心臓…

まるで、あの子が…


「紫苑!」


くらぁ…とバランスを崩して琴乃にもたれかかる紫苑


「紫苑!琴乃サン!ひよ里サン!」

「隊長」

「遅いで喜助、ウチより先に紫苑探しに行ったやんけ」

「琴乃サン、紫苑大丈夫っスか…」

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