第3章 十二番隊へようこそ
第3章 十二番隊へようこそ
それからしばらくして、十二番隊から正式に霊術院に文書がとどいた
もちろん答えは決まっている
六回生を終え、卒業した次の春
私たちは、晴れて護廷十三隊に入隊した
「いよいよ今日からだね」
「うん、やっぱりちょっと緊張するね」
琴乃とそんな話しをしながら、隊舎までの道のりを行く
とりあえず入隊の儀というのがあるそうだ
まわりを見渡すと、同じ1組だった者もいる
新入隊士はざっと20人程度かな
「西園寺!東雲!俺も十二番隊になったんだ!よろしくな!」
「こちらこそ!」
知った顔の何人かは話しかけてくる
隊舎内はざわざわとしていた
その時、リン─と聞こえるか聞こえないかくらいの鈴の音が耳に入った
「みなさん初めまして。十二番隊へようこそ。歓迎するわ」
一斉にその人へと目線が注がれる
「私は五席の一条沙也加。隊長と副隊長はもう少しで来るから、もうちょっと待っててね」
綺麗な人だった…
凛としていて、気高く品があって、小さく微笑む姿は女の紫苑であっても見惚れてしまいそう
死神は半数以上が男性だ
体の大きさや、腕力だってやはり女性より男性のほうが上だ
その中でも五席という席次についているのは、本当に凄いと思う
「あ、隊長たちが来たわね」
「遅くなってスミマセン」
「喜助のせいで遅れたやんけ!」
浦原隊長と、ひよ里さんだ
会うのは2人が霊術院に来た日以来だった
「また飲みすぎたんですか?ふふっ」
「だって夜一サンがね…」
「エェから挨拶しろや!」
お似合い…だと思った
仲が良いなと思った
隊長を傍でサポートする、綺麗で聡明な五席
私とは…全然違う…
浦原隊長には、ああいう余裕のある大人な女性が似合うのかもしれない…